本社工場の焼菓子部門を2カ所ライン化し、他に蒸し部門と手作り部門があり、第2工場の自動計量器1機で「ドライ林檎」袋詰め作業及び「ホタテスープ」のパック詰め作業を行っています。
また、つがる市工場にて凍結乾燥機(F.D)1基により青森県産の食材を活用したフリーズドライ製品を生産しており、県内全域の観光地のホテルの売店、お土産店やアスパム物産、キヨスク売店、A-FACTORY、道の駅、高速道路のサービスエリア等に商品を納入しています。(直営店:新青森駅 旬味館店)
右画像:青森さんのやさしいスープ(青森県陸奥湾産のホタテをフリーズドライしました)
青森県の素材にこだわった「ソフトりんご」などのロングラン商品のお菓子をはじめ、安心・安全にこだわったリンゴや魚貝類などのフリーズドライ製法によるオリジナル商品を自社の強みとしています。2023年1月よりNetflixで配信中のドラマ「舞妓さんちのまかないさん」で当社のお菓子が使われ注目されております。
右画像:ソフトりんご(自社独自のフリーズドライ製法。厚さと歯ごたえに特徴があります)
函館の「いかの塩辛」と青森産の「ホタテ」「サケ」国産「椎茸」をフリーズドライし、 ワサビ味にした「のっけ丼茶漬」は高級感のあるお茶漬です。またコロナウイルス流行による人流の減少に伴いお休みしていたマシュマロと大福をイメージさせる「やわら果」の販売を再開しました。シャーベット「冷や。林檎」(商標登録第6001127号)も人気の氷菓です。
フリーズドライ製法等の特許を出願していましたが、知財を有効活用しているとはいえない面があったため青森県知財経営実践モデル企業活用支援事業の対象企業に採択されたことをきっかけに弁理士と窓口支援担当者及び県の担当者が定期的に訪問し、課題を明確にして解決への方向性が定まるよう支援を行うことになりました。
自社オリジナルブランド「あおもりだから、」のコンセプトが曖昧でしたが、類似品や模倣対策のために商標権の取得は必要であると考えていたため商標出願の支援を行うことになりました。フリーズドライ製法の特許に関しては出願だけで終わっており、権利取得や活用に至っていないため、経営の中で知財の位置づけも不明確でした。このため経営との関係について理解いただけるよう助言等を行いました。
ブランディングやその活用、効果を明確にするため「あおもりだから、」の商標権取得が必須であると認識できるようになりました。同業他社の菓子の商標権、意匠権、菓子製造機械の特許等の知財情報を知ることで、知財の位置づけが明確になり経営面においても知財を重要視できるようになりました。
当初は類似するネーミングを使用し商標権者から警告されても、名称変更で対応できると軽く考えていましたが、商標権の機能や活用を認識することでブランドの効果を理解できるようになりました。「あおもりだから、」が商標登録されたことで社員が知財教育を受け入れやすい環境が整いました。また社長の長年の夢だったりんごのシャーベットが完成し商品名「冷や。林檎」の商標登録にあたり専門家(十和田商標特許事務所 坪淳一弁理士)を活用し、発売のタイミングに合わせて商標権を取得することができました。
経営の中での知財の位置づけを明確にし知財経営を意識することで、ブランド保護のための方向性が定まりました。知財に対する意識を高めていくことで、自社の商品づくり、商品開発に反映されていきます。
当初は知財と経営に距離感がありましたが訪問の度に課題を発見し対応することで両者は切り離せないと認識してもらい、相談者と弁理士、窓口支援担当者等がwin-winの関係を構築でき、社長からは新商品開発段階から知財を保護するための積極的な相談があり、意識が大きく変わったことがうかがえます。 (今野 峰子)
知財経営支援はとやブランド『あおもりだから、』 (2.0 MB)
掲載年月日:2014年2月16日
更新年月日:2023年8月15日