当社は平成元年に耐熱鋳造品(熱処理用治具、ごみ焼却炉用火格子)の製造を目的として設立、翌2年に操業を開始しました。その後耐磨耗鋳造品(砕石機械用部品など)も生産し現在では大きな柱となっております。平成25年には矢板市片岡に新工場を開設し、最新設備導入による生産性向上、環境改善を積極的に推進しております。
生産から販売まで一貫した品質体制により、過酷な使用環境下に取り付けられる設備部品の耐久力・耐熱力・耐磨耗性などの品質レベルを的確に把握し適切な製品をご提案できるのが当社の強みです。日本一の品質、日本一の納期、日本一のコストを目指し、全社員が常に考えながら歩んでいる鋳造品メーカーであると自負しております。また当社は研究開発にも力を入れており、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)の支援を受け、耐久性のさらに高い複合鋳造材の研究開発に取り組んでいます。こうした研究開発能力の向上も当社の強みです。
自動車用部品を焼き入れするときに使用される、熱処理用治具全般を扱っておりますが、特に他社と差別化している製品が焼き入れ用のトレイ(バスケット)です。通常はトレイの上に鋳物もしくは製缶品のバスケットを乗せて熱処理しますが、当社のトレイはトレイと上モノのバスケットを一体化しております。一体化する事により使い勝手を良くし、また総重量が抑えられ、コストメリットがあります。さらに設計を工夫する事により製品の歪みを抑え、通常よりも1.5倍長持ちするようにしている事で、お客様より満足してご使用いただいております。
自動車メーカーが製造する変速機用ギア等の過酷な熱処理で使用される耐熱治具の製造では、昨今の変速機用ギアの製造技術の向上に伴う耐熱治具の長寿命化と、自動車メーカーの海外生産シフトに伴う同社への国外での生産・供給が要請されておりました。この背景のもと、国内でのさらなる当該製造技術力の向上及び国外での生産体制の強化と共に、国内外での知財安全性の確保及び知財障壁の構築を図ることが必要となっておりました。
①新規開発した耐熱治具長寿命化製造技術に対する独自性及び特許性の見極め、並びに当該製造技術の国内における知財取得方法。
②耐熱治具長寿命化製造プラントの国外展開に係わる各国における知財制度及び知財取得方法、並びに当該製造技術の国外流出防止策(特許での保護かノウハウ管理か等)。
①新規開発した耐熱治具長寿命化製造技術の国内における特許取得方法並びに特許出願手続き及び特許権利化。
②耐熱治具長寿命化製造プラントの国外展開に係わる各国における特許取得方法並びに特許出願手続き。
③耐熱治具製造事業の国内事業確立及び国外生産展開に係わる、自社ブランドの構築に向けた、ハウスマークの創出並びに国内外での商標取得方法及び商標登録出願手続き。
窓口を通じて社内に知的財産に係わる意識の向上を図ることができたと考えます。会社の将来にわたっては、既存製品の製造と販売で終わることなく、新製品の開発と同時にその開発品による将来の製造と販売の一方で、計画的な知財管理体制を構築しておく必要があり、この意識向上の大きなきっかけとなりました。
今回ご相談させていただいた内容は、商標出願と特許出願に係わる手続き手順でした。実際の窓口担当者からの対応は、既存の商標又は特許の調査方法、事前に検討すべき項目に対するご助言、専門知識を有する弁理士のご紹介、及び出願手続きに至るまでの書類の準備方法等を丁寧にご指導いただきました。窓口を利用することで、適切で的確なアドバイスを頂けました。この度は本当にありがとうございました。
耐熱治具製造事業の国内外への拡大展開に向けて、国内マザー工場としての、技術力の向上及び生産体制の強化は達成しつつあると共に、当該事業をサポートするための国内における特許及びハウスマーク商標を取得することができました。今後は、国外生産展開に向けての、国外における特許及びハウスマーク商標を取得するための支援を継続していきます。 (斎藤 秀夫)
国内事業拡大及び海外展開に係わる知的財産構築(281.1 KB)
掲載年月日:2014年3月 7日
更新年月日:2023年8月 4日