窓口支援事例
金八神漁網株式会社
特許意匠社内体制

知財マインドで養殖篭開発

企業情報

所在地
青森市問屋町1-15-26
ホームページ URL
http://www.jin-fn.co.jp/index.html
設立年
1969年
業 種
漁業資材製造・販売
従業員数
22人
資本金
3,000万円

企業概要

当社は、昭和14年に開業し昭和44年に法人化しました。創業以来、漁業関連資材を一筋に取り扱ってまいりましたが、昭和40年頃からは青森県むつ湾や北海道、東北沿岸で成果を上げつつあるホタテ養殖にいち早く注目し、養殖かごの製造及び関連製品の販売に力を注ぐとともに養殖技術の向上に寄与すべく、養殖かごの改良や新商品の開発に努力してまいりました。

自社の強み

当社は、青森県内一円をはじめ北海道、東北各地に営業担当者を配置し営業活動を展開しているため、各地からの生の要望を吸い上げることができ、生産拠点の自社工場へダイレクトに情報を伝達することにより、顧客の要望を製品作りにいち早く反映し、形にして提供できるという強みがあります。また、そこから新製品づくりのヒントを得ることができます。

一押し商品

漁業者へ当社製品を使って頂くためには、他社にはない当社でなくてはならない理由が必要です。特に着眼したのは漁業者を取り巻く様々なコスト削減に役立つ製品です。
この製品は、従来方法では稚貝の出し入れ口を糸で縫い付けていたものを重ね口にすることで、人件費削減と人材不足の両方を改善できる製品となりました。
(特許第3520195号「帆立貝の中間育成篭」)

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

同社は、平成23年8月に、特許庁産業財産権専門官※から同行訪問のお誘いを受け訪問しました。しかし、同社では「特許を取得しても直ぐに類似品が出回る。」「同様他社より特許侵害の裁判を起こされた。」「特許の書類は同じことが繰り返し書かれていて内容が判らない。」など、知財に対してあまり良い印象を、お持ちではありませんでした。
※産業財産権専門官については、以下を御参照ください。
 http://www.jpo.go.jp/torikumi/chushou/chitekizaisan.htm

最初の相談概要

同社は意匠制度を知らなかったので、制度概要と意匠権の効果について説明しました。また同社はベトナムに自社工場があり海外の特許に興味を持たれましたので、海外出願の方法について説明しました。また、先行技術調査の重要性を説明しIPDL(特許電子図書館)を紹介しましたが、特許情報を検索する時間や人に余裕はないと言われました。

その後の相談概要

知財総合支援窓口が、同社の特許リストと同社に対して裁判を起こしたA社の特許リストを比較し、同社の特許がA社の特許に引用されている例を示すことで、A社が同社の特許を調査・研究していることを説明し、同社においても特許情報の活用が重要であることを説明しました。また、同社内に知財体制構築の必要性についても説明しました

窓口を活用して変わったところ

支援の結果、同社は社内に知財担当者を配置し、職務発明制度と営業秘密の管理体制を構築しました。また、知財担当者は、特許・意匠制度の概要と先行技術調査方法を習得し、製品開発の際は、特許・意匠の先行技術調査と、権利化の検討をするなど、会社全体で知財マインドを持つに至りました。


企業からのメッセージ

商売を続けていくなかで、価格競争の渦に飲み込まれないためには、自社独自の新商品、アイデア商品を作り出さなくてはいけないことを、特に製造業の立場では強く感じておりました。
企業にとって命綱ともなる知財については様々な角度からの考察が必要になりなりますが、そのためにも知財総合支援窓口を活用されることをお勧めいたします。

窓口担当者から一言

訪問当初は、知財にあまり良い印象を持っていませんでしたが、支援を続けるうちに知財の価値を知って頂き、担当者の配置や知財経営体制を構築して頂きました。開発力のある企業ですので、今後も特許、意匠権取得の支援をして行きたいと思っております。 (田中 智)

知財マインドで養殖篭開発(427.8 KB)

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掲載年月日:2014年5月27日

更新年月日:2018年2月 8日

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