平成4年開業。熊野筆(習字筆)の軸部の製造を行っていました。その後、化粧筆の軸の製造をスタートし、OEMを中心としながらメイクブラシブランド「夢元 MGN」を立ち上げました。また、けん玉発祥の地廿日市市ということからけん玉「夢元」の製造もスタート。けん玉が海外で爆発的な人気となったことから平成24年より新ブランド「夢元夢双」を立ち上げ、現在は化粧筆とけん玉の製造を行っています。平成26年4月より株式会社イワタ木工を設立。平成26年7月には「けん玉ワールドカップ 廿日市2014」を実現させ、世界中のけん玉プレーヤーから注目が集まっています。知財面でも積極的に取り組み、国内特許出願1件、商標登録3件、意匠登録1件、平成25年度、平成26年度外国出願助成金を受け、海外での商標登録・特許出願も行っています。量産に対応するため、平成27年3月には新工場が完成予定です。
自社の強みは、他社に真似の出来ない職人の手作業による塗りのきめ細かさです。てまひまを掛けて、ひとつ一つを丁寧に塗り上げる塗装技術は伝統工芸にも似ています。けん玉については大量生産を目指さず、職人の伝統技術を大切に守っていることが、自社の強みになっていると思います。
化粧筆で養った塗装技術をけん玉に応用し、世界でも類を見ない超光沢性のけん玉を生み出しました。
けん玉が海外でブレイクしていることもあり、けん玉「夢元夢双」はアメリカ・ヨーロッパで販売するとすぐに完売し、ネットオークションでは高値が付くほどの人気商品です。
けん玉ワールドカップ開催により、自社のけん玉の人気はますます高まっています。
化粧筆「夢元MGN」ブランドを立ち上げられた際に、この名称を商標登録したいとご相談に来所されました。
自社で製造しているけん玉が海外で人気が出ているので、海外で権利化するにはどうしたら良いかとのご相談を受けました。
外国出願経験の豊富な弁理士を派遣し、海外で有効的な権利化についてアドバイスを行いました。弁理士によるアドバイスの結果、意匠では特徴が無く、新規性・創作非容易性が認められにくい為、商標「夢元夢双」による識別・ブランド化を目指すこととなり、出願支援を行いました。
新しく開発したけん玉について権利化したいとのご相談を受けました。再度、弁理士を派遣し、技術的な特徴について検討を行いました。結果、けん玉競技の特殊性をからめた明細書のストーリーを検討し、特許出願を進めることとなりました。
出願費用については外国出願助成金を紹介し、平成25年度はブランド名の商標出願で採択され、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・中国で商標登録を行いました。平成26年度はけん玉の特許出願で採択され、同じくアメリカ・ヨーロッパ・中国・オーストラリアで権利化される予定です。
窓口を利用するまでは知財に対して費用をかけることに抵抗がありましたが、窓口の支援を受けることにより知財の重要性について認識できるようになりました。また、もの作りに知財が活用できることも理解できるようになりました。
商品を販売するに当たり知財面での保護は重要と思います。また、自社の強みをアピールする面でも知財は役に立ちます。窓口は、気軽に相談出来る場でもあるので積極的に相談すべきと思います。
けん玉ワールドカップは、私も見学に行きましたが海外のプレーヤーが集まり大盛況でした。イワタ木工さんのけん玉は、海外のけん玉プレーヤーが憧れる人気のけん玉となっています。来年度からは、海外展開を広げて行かれる予定ですので、窓口で引き続きご支援出来たらと考えています。 (森本 理子)
けん玉による海外展開(367.3 KB)
掲載年月日:2015年1月16日
更新年月日:2019年8月 7日