燕市は、県下有数の工業地帯であり、金属洋食器、金属ハウスウエアー製品の国内主要産地となっています。
また、同市は良寛さまゆかりの地でもあり、日本桜の名所100選の地、大河津分水で行われる豪華絢爛な「つばめ桜まつり 分水おいらん道中」が有名です。
燕市観光協会は、産業と歴史と自然が調和した同市における観光事業の振興を図り、産業経済の発展に寄与することを目的に、同市の統一観光協会として平成25年4月1日に設立されました。その後、平成27年7月に一般社団法人燕市観光協会として法人化致しました。
春の「つばめ桜まつり 分水おいらん道中」や秋に行われる「越後くがみ山酒呑童子行列」などのイベント開催や、良寛さまゆかりの五合庵を始め、国上山の自然に触れるトレッキング、鎚起銅器や洋食器・研磨技術など世界に誇る金属産業の見学体験などの情報を県内外に発信する誘客活動を行っております。
燕市観光PRキャラクター「きららん」グッズは、当協会ウェブサイトでもPRしています。
これまでに、タンブラー、名刺入れ、スプーン、キーホルダー、せんべい等が商品化され、道の駅などで販売されるとともに、「きららん」は地域団体・企業の看板・チラシなどにも活用されています。
「きららん」は、燕市の恒例行事「分水おいらん道中」が70回の節目を迎えたことを記念して誕生しました。当協会は、同市の観光PRキャラクターとして広く活動させるために、関連グッズを製造販売してくださる企業を募集しました。その際に、燕市観光PRキャラクターとしてのイメージを守るために、商標登録の必要性を感じ知財総合支援窓口に相談に訪れました。
「きららんグッズ」を製造・販売する業者を広く募集するという企画を進めるなかで、早急に出願し権利化を図ることが重要と考え、窓口では「きららん」を使用した商品群、サービス等を十分確認したうえで、特許電子図書館の調査方法を指導し、広い範囲でのサービスが提供できるよう、出願書類の作成についてアドバイスを行いました。また「燕市観光協会」は出願時は任意団体だったため、出願人を「燕市」として手続を行うようアドバイスいたしました。
商標出願の支援を進めながら、窓口では、「きららん」の著作権を同市が所有する際の、契約に関する相談や、「キャラクター使用に関する要領」の作成に関する相談について、専門家を交えてアドバイスを行いました。
商標出願後の拒絶理由通知への対応についても、意見書や、使用の意思を証明する書面の作成方法についてアドバイスを行いました。
窓口を活用し権利化を実現できたことは、キャラクターの悪用を回避できたことに繋がり、大きな安心感を得ることができました。2013年に完成した「きららん」の着ぐるみは、県内外のイベントで現在活躍中です。また、商標の権利化により地域団体・企業からも、安心して幅広く活用いただけるようになりました。
当協会の通常業務においては、関わることのない知財ですが、一つ間違うと他者の権利を侵しかねないのが知財ではないでしょうか。知財総合支援窓口では、多くの専門的な用語・内容について、わかりやすく説明、アドバイスいただくことができました。また、知財担当者不在の当協会では、他業務と並行しながら対応しなければなりませんでしたが、窓口支援担当者の訪問支援により、他業務を滞らせることなく申請が可能となりました。
同協会は燕市の観光PRキャラクターとして誕生した「きららん」を悪用されたくない、という思いから商標の重要性にいち早く気付き、独自で権利化を実現しました。商標はキャラクターを同市内の企業に使用させる上で大きな役割を果たしています。「きららん」が地元企業の活性化に繋がることを今後も期待しています。 (伊藤 里子)
観光PRキャラクターの商標取得支援(847.7 KB)
掲載年月日:2015年2月 2日
更新年月日:2019年7月17日