当社は、発酵技術を活かした有機発酵肥料、植物活性液の開発と製造を行っています。
10年かけて肥料の元となる微生物の働きを見極めることに成功し、自然界に生息する地元由来の菌を培養し、独自発酵液を完成させることができました。『自然にやさしく、健康で元気な植物を育てる』を企業理念として、安全・安心・良質な作物を作る方へのお手伝いができる様に心がけ、私たちの世代のみならず、子供たち孫たちまでの健康を考え未来の地球を健やかにするための商品開発を行っております。
自社開発の発酵液によって有機物のたんぱく質を分解して80%程度をアミノ酸に変えることができるため、特に特別栽培米への使用に向いています。このアミノ酸態窒素を与えることにより、硝酸態窒素の少ない安全・安心な植物づくりに貢献します。また、植物に合わせた肥料づくりが出来ることも大きな強みになっております。
当社が開発した発酵肥料(アミノ酸肥料ともいう)「源」〔商標登録第5719287号〕の特徴は、発酵する時間および微生物や有機物の量を変えることで窒素・リン酸・カリ等の成分調整を可能とする、アミノ酸態窒素の速効性のある有機肥料であることです。現在、市場流通している有機肥料はそのほとんどが遅効性であり、速効性のある有機肥料が求められてきました。有機100%の肥料で発酵型のアミノ酸肥料はまだ多くありません。開発した肥料では、水溶性のアミノ酸に変える働きにより作物に適した肥料づくりができるようになります。なお、この発酵肥料「源」の製造技術で山形県経営革新計画の承認を頂きました。
知財総合支援窓口が開設される以前に弁理士からの助言・指導を受けて個人で商標登録まで行った経験があり、この度は、「独自に開発した化学物質を一切含まない有機発酵肥料の製造・販売で使用している商標(ネーミング)を他人から使用されることを防ぐために商標権で保護したい。」ということでご相談いただきました。
商標制度に関する基礎的知識をお持ちであり、「商標出願を考えているものがあるので先願商標の調査方法を教えて欲しい。」というのが最初の相談内容でした。この度は法人として既に使用している商標の権利保護と、今後のバリエーション展開やブランド化を視野に入れた使用形態を検討していくこととしました。
パッケージ等に表示する文字商標について、使用に幅を持たせたいとのご希望から商標出願は標準文字で行うこととしました。また、バリエーション展開時のパッケージの仕様などについても提案させていただきました。さらに、OEM供給先の業者が取扱う商品は異なる商標で流通させることで直販商品と区別させると共に、価格戦略により市場での優位性を確保しながら販売拡大を図っています。
同社は、当該商標を付した商品販売を先行しており、他者から先に商標出願されることは避けたいとの思いが強く、調査支援から出願支援まで短期間で実施することになりました。商標登録されたことで、より積極的な事業展開ができているようです。また、OEM契約も成立するなど、商標を活用した事業展開と収益向上に繋げられているようです。
商品イメージと結び付けて考えた商標を他人から真似をされたくないとの思いから、商標権で保護しておくべきと判断し、知財総合支援窓口で相談させていただき、先願商標の調査方法や商標権の取得及び活用まで全般に渡り支援いただきました。その結果、企業が発展するためのアイテムとして知的財産の活用は欠かせないものと認識を新たにすることができました。誠にありがとうございました。
商標制度に関して一層の理解を深めたことで、事業に有効に活用していただけているようです。顧客が求めるニーズに合致した商品を開発し、販路開拓を図りながら事業展開していることは、今後の事業拡大ひいては企業成長に繋がるものと考えます。これからも事業活動において知的財産を有効に活用していただけるよう支援していきたいと思います。 (三宅 茂樹)
有機発酵肥料「源」の製造・販売での商標活用支援(570.8 KB)
掲載年月日:2015年4月27日
更新年月日:2017年11月27日