当社は化学・環境・エネルギー・資源・材料・プロセスなど、グローバルな視点から社会的ニーズを敏感にキャッチし、個別ユーザーの多様なニーズに対応する新規性・創造性・経済性・安全性に優れた化学装置に関して製作・施工・メンテナンスまでトータルエンジニアリングを提供しています。
■Creative-Engineering
混合撹拌技術・容器設計技術を中心に乾燥、ろ過、濃縮、蒸留、粉体、FA計装、熱媒、冷媒システム技術まで幅広いエンジニアリングサービスを提供します。
■Hi-Tech & Hi-Quality
高品質の溶接・製缶・機械加工・装置組立など安全性に優れた装置の製作を行います。
■Factory-Automation
多品種少量生産効率向上のためのバッチ式プロセス制御システムを提供します。
当社では、顧客からの要望により温排水の排熱を利用した熱交換機用クリーニング装置を開発しました。同装置は排熱を利用して上水を温めるため、燃料費節約の経済的メリットや上水管に付着するスケールや汚れを自動で摺動させて除去する駆動装置を備え、清掃の手間が低減できるなど省力化が導入効果として挙げられます。
また、同装置は特許第5105294号「温排水熱回収システムにおける伝熱管クリーニング装置及び排熱回収熱交換器」として、既に権利化もされています。
同社社長の発案で新規事業を始めるに当たり、相談可能な公的機関を探していたところ、同社の技術顧問が特許権取得・活用支援を行う公的機関として公益財団法人埼玉県産業振興公社のホームページにおいて知財総合支援窓口があることを知り、相談内容を整理した上で窓口を来訪したことがきっかけです。
同社の得意とする熱交換器、プラント等の機器製造技術をベースとした「温排水熱回収システムにおける伝熱管クリーニング装置及び排熱回収熱交換器」に関する特許出願についての相談が同社の技術顧問よりありました。そこで試作品を確認し発明の技術的特徴部分を明確にして権利範囲を広くするため窓口知財専門家(弁理士)の助言を得て特許権の取得ができました。
同社のように受注型企業が、はじめての自社製品を販売するに際し、販路開拓及び販売のためのノウハウが乏しく営業活動に苦戦していました。そこで、当公社の企業支援グループ(中小企業支援センター)の専門家派遣を活用し販路開拓のための助言を行い、自社での営業活動に入ることができ、今後本格販売を軌道にのせるべく営業活動を行っています。
同社は経営に資する知財の重要性の気付きに至り、知財マインドも向上し受注体質から自社新製品を保有することの大切さを認識しました。今後新たな製品開発にも取り組む姿勢が見られ、このことは同社の経営の今後にとって大きな意義があります。
客先からの注文に基づいた受注生産が中心でしたが、知財に関する相談から販路開拓のアドバイスまで連携機関の支援メニューも有効に活用しながら、新たな活路を見出すことができました。
自社製品の開発には、「知財」と「経営」を意識して取り組んでいくことが大切であると考えます。
同社は技術指向型の企業体質ですが、知財の重要性を助言し、受注生産体質からの脱却に向けた提案が必要であると考えました。権利化、販路開拓支援を行うなかで、経営に資する知財の理解が深まり、自社営業活動の緒についたばかりですが、このことは同社の企業経営の将来にとって大きな一歩となりました。 (佐藤 政幸)
排熱回収熱交換器の販路開拓支援(454.0 KB)
掲載年月日:2015年6月 2日