窓口支援事例
環境開発興業株式会社
特許営業秘密・ノウハウ

知財専門家派遣により知財経営に開眼

企業情報

所在地
福岡県北九州市八幡西区本城東三丁目1-23
ホームページ URL
-
設立年
1970年
業 種
土木建設業 清掃しゅんせつ業務
従業員数
31人
資本金
2000万円

企業概要

 昭和45年 環境開発興業(株)とし北九州市に設立、当社は平成27年をもちまして創業45年を迎えることができました。大手企業の下請けに始まり、公共工事の受注により順調に業績を伸ばしてきましたが、ここ近年総需要は伸び悩んでおり、業界各社は高品質を維持したまま工事コストを低減する努力を続けています。当社の目指すところは、喜びを感じてもらえるものづくり、そして社員が考えることに目覚め、やれば出来るという自信づくりです。

自社の強み

 平成6年当社初の更生工法(オールライナー工法)による下水管の補修工事を手掛けました。これは従来の道路を掘削して老朽化した下水管を交換する方法とは異なり、掘削せずに下水管を補修出来る工事であり、近年全国の自治体で本工法が多く採用されるようになってきました。建設業はIT化された現代には不人気かもしれません。しかしこの事業こそが、災害から人を守り、下水道事業により地球環境を守ると、私たちは信じています。近年大災害が多発しています。当社は地震にも耐える下水管耐震補強工事から、地下水進入による汚水の処理能力低下防止のための補修工事まで幅広く対応しています。

一押し商品

 更生工法で下水道管を補修した後、各家庭からの接続下水管に穴を開ける必要があります。この作業は、専用のロボットに穿孔(穴開け)工具を取り付けて行われますが、近年、補修管の強度を増すため、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製補修管が用いられるようになってきました。この補修管はガラス繊維で強化されているため、従来工具では工具摩耗が激しく、加工時間もプラスチック製補修管の5倍程度の時間となり、本工法で工事を行う国内企業の課題となっています。
 そこで当社は平成22年度から福岡県工業技術センター機械電子研究所の協力を得て、GFRP製補修管穿孔工具の開発を始め、その結果、従来工具の1/4の時間で加工が行える工具を開発しました。今後、この新工具の販売という新しい分野への事業展開を図ります。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は当初、新開発した穿孔用工具を商品として考えておらず「自分たちの工事のためだけに」福岡県工業技術センターと共同開発していましたが、同センターとの検討の中で「商品として売り出しては?」と話が出て、売り出すことになりました。しかし努力して約4年もかけて開発した新工具を、世の中に出した途端に真似されたら困るということで、特許として登録出来ないものかと、知財総合支援窓口へご相談に来られました。

最初の相談概要

 ご相談に来られた当初、同社は知財ライセンス等の経験が無く、ノウハウや営業秘密など知的財産の社内管理が十分なされていませんでした。そのため知財専門家による無料相談、派遣制度をご紹介し、活用をお勧めしました。

その後の相談概要

 知財専門家として派遣させて頂いた弁理士と新工具の特許出願と知財戦略の検討を行い、その後、無事に特許出願が完了しました。同社は当初、特許出願は難しいものと考えておられましたが、知財総合支援窓口による支援により特許出願して頂くことが出来ました。

窓口を活用して変わったところ

 新工具を特許出願したことで、「自分たちにしか作れない物を持っている」という他社との差別化と下水道補修工事の伸長ができたとのことです。また従業員の方々の仕事への意欲と創造性が向上し、自分たちの頭で考える力に目覚め、穿孔用工具だけではなく、他の工具も提案するようになり職場が活性化したと聞いております。
「こんな工具が有れば良いね、その工具が有れば、こんなこともできるぞ」と、次回からは自分たちで色々な工具を試作しようとされています。


企業からのメッセージ

 当社は新工具を特許出願することから知財への取り組みを開始しました。始めは、特許出願は垣根が高く、高度な技術や知財の専門部署を持つ企業しか出願など出来ないのではと思っていました。しかし知財総合支援窓口で、今まで考えられなかった外部の強力な多くの専門家を紹介していただき、特許出願出来ました。当社のような企業にとって知財総合支援窓口と中小企業知財支援施策は、非常に有効だと思います。何よりも当社従業員の仕事への熱意が向上しました。

窓口担当者から一言

 現場が自分で考え創造し提案するようになると、ものすごいパワーになります。皆が活き活きして作業効率が上がり現場の安全感度も格段に向上します。「従業員とその家族の幸せがあってこそ企業存在の意味」とお考えの同社経営に、今回知財経営感覚が加わったことで更なる飛躍と発展を期待しております。 (沖 宏治)

知財専門家派遣により知財経営に開眼(490.4 KB)

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掲載年月日:2015年6月22日

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