当社は、40年近く続けてきた計測機器の販売等で長年培った制御のノウハウを生かして、より地場に根付いた企業を目指し、平成20年、独立して鹿児島市に創業しました。
従来からの計測機や工業計器、産業機器等の販売やメンテナンスを基に、制御盤等の製作を手掛け始め、本格的なものづくり拠点として、平成24年、姶良市に工場を建設し、自動機、制御装置、監視装置の設計・製造をはじめ、バイオマスボイラーや静電気放電位置可視化装置等の開発等を行っております。
当社は設計から製造、そして導入後のメンテナンスや修理まで一貫して提案させていただく”トータルプランニング”を行っております。社内には、設計、組立、メンテナンスそれぞれの専門社員がおりますので、お客様のご要望に合わせた総合的なご提案をさせていただくことが可能です。
当社は、化石燃料の枯渇、価格の変動によるエネルギーコストの不安定さを解消する装置の一つとして期待され、環境負荷ゼロと言われるバイオマスボイラーの開発に着手いたしました。
鹿児島県工業技術センターやかごしま産業支援センターの支援を受けて市場に提供できる性能・仕様を備える当社独自の「バイオマスボイラー」、登録商標「わくぞー」を開発しました。
従来品と比べて、他社にない特徴としましては、
①鹿児島県の地域資源である“シラス”を断熱材として利用
②炉内の熱を最大限に生かした構造であるため(国内特許取得)、燃料の投入回数も最小限にできる。
③燃料は薪やチップだけでなく、丸太や間伐材でも利用可能というボイラーになります。
同社は、歴史も新しいので独自ブランド製品を持つことが事業を優位に展開していく上で重要と認識され、市場性の期待できる「バイオマスボイラー」の開発に着手され、製品化に成功されました。販売を開始して市場の拡大を図るには、製品の独自性や優秀性を証明する必要があると認識され、その手立てを知りたいとのことで窓口を訪問されました。
同社が最初に窓口を訪問された理由は、バイオマスボイラーを販売していく上で、第三者の特許に抵触することの可能性を懸念してのことでした。
権利侵害の懸念も重要である一方、幾つかの創意や工夫点がある製品を開発されたと思われるので、特許出願できる可能性を考慮し、新規性や進歩性の観点で専門家の助言を受けて頂くことをご提案しました。
知財専門家を交えて開発したバイオマスボイラーの特徴部位を特許の観点で分析・評価し、燃焼室の構造やメンテが容易にできる部品のモジュール化に独自性があり特許要件を備えている事が分かりました。平成25年3月に特許(特許査定)と実用新案を1件ずつ出願されました。また、社員から募集した商標が「わくぞー」で登録査定されました。
バイオマスボイラーは、既に商品化され自治体や民間に6台販売されています。
同社は、知的財産が安心して、かつ自信を持って事業を推進するのに必要不可避のツールであると位置づけられました。事業活動に必要な技術や製品は積極的に且つ慎重に権利化を進められ、また、有用と判断した第三者の優れた特許も導入し製品化されるなど知財を上手く経営に生かされるようになりました。
今回、当社で初めての自社製品「バイオマスボイラー」を開発するに当たり、開発初期段階から知財総合支援窓口に相談しました。
社内では予想もしなかった点に独自性ありとの評価を受け特許出願が行え、先日特許査定の連絡がありました。開発成果の社内評価も必要ですが、専門家の視点が大事と思います。
窓口の方々も、親切に対応されるので是非お気軽にご相談されてはいかがでしょうか。
専門家に開発初期段階から助言を受けられ、権利化は無理と判断されたバイオマスボイラーの特許を出願し、登録査定されました。製造業の歴史は浅いですが、いち早く経営における知財の適正な活用が重要であると認識されました。
自社技術や製品を独自に過小評価せず先ずは専門家の活用をお勧めします。
(濵石 和人)
バイオマスボイラーについて(775.9 KB)
掲載年月日:2015年7月 6日