窓口支援事例
株式会社川仙食品
特許海外展開

過冷却冷凍技術の権利化と事業展開

企業情報

所在地
福島県西白河郡西郷村大字羽太蛙ケ日向3番地
ホームページ URL
http://www.shokokai.or.jp/nishigo/07/0746110773/index.htm
設立年
1984年
業 種
川魚養殖、飲食店、冷凍加工
従業員数
3人
資本金
1000万円

企業概要

 当社は、イワナ、ヤマメ、ユキマス等の養殖事業及び川魚の加工食品、冷凍食品の製造、レストラン事業を営む企業です。
 また、自社で開発した過冷却冷凍技術を活用した新事業として、地元農産物の冷凍商品の開発・販売等に地元農協と連携して取り組んでいます。
 同過冷却冷凍技術については、知的財産として権利化することにより、自社のブランド価値の向上、新規事業の基盤強化、事業規模の拡大による地域社会発展への貢献を目指しています。

自社の強み

 当社は昭和59年創業以来川魚の養殖を営んでまいりました。平成15年に養殖を始めたユキマスは大変美味しい魚ですが、いたみが激しく、活魚でしか配送できない問題がありました。ユキマスの鮮度を保ち、美味しいお魚を多くの人にお届けしたい、という思いから、自社で過冷却冷凍技術を開発し、特許化しました。本冷凍技術を用いた冷凍食品には「セントピュアフリーズ製法」の名称にて市場へ供給しています。

一押し商品

 当社の過冷却冷凍技術「セントピュアフリーズ製法」は、食材に高圧電場を印加しながら、マイナス30度まで急速冷却することで、「過冷却冷凍」を実現しています。
 本過冷却冷凍技術を用いた冷凍飲食物は、ガチガチに凍らずシャーベット状に凍るため、解凍せずに包丁で容易にカットでき、冷凍のまま調理・加工が可能となります。更に、歯で容易に噛み砕けるのでそのまま食用にもできます。
 一旦冷凍した飲食物は、一般的な冷凍庫で輸送・保存することができ、酸化・乾燥せず、食味、食感、香り、色が冷凍前のまま1年以上維持することができます。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 過冷却冷凍技術の権利保全と事業への活用を検討していたため、東北経済産業局特許室「平成23年度東北地域知財経営定着促進支援事業」の人材集中派遣による支援を受けた結果、過冷却技術の理論的解明等の課題が明らかとなり、知財総合支援窓口にて継続的に支援を受けることとなりました。

最初の相談概要

 支援事業の課題として、まずは本過冷却冷凍技術の特許での権利化を図ることが優先であることから、過冷却冷凍の原理や安定した冷凍を行うための管理条件等について、福島県ハイテクプラザの技術支援を受けながら、窓口支援担当者と相談し、国内特許の出願(登録第5513681号)をすることができました。

その後の相談概要

 国内登録となった特許について、専門家相談の活用を行うことで、国際出願を行い、H26年中に外国移行の手続きを進める予定です。
 また、事業化検討の一環として、窓口の紹介による、ものづくり補助金を活用して、試作機の製作を行い量産機に必要な仕様の確認を行ないましたが、自社の能力等を検討した結果、冷凍機の製造販売は自社では行わず、ライセンス契約を進める方向で調整しています。

窓口を活用して変わったところ

 発明が完成すれば権利化への手続きは比較的容易であると認識していたが、窓口へ相談し発明構成等の助言を得ることで、代理人へ依頼時の発明内容説明もスムーズに進めることができ、権利化に於ける技術的特徴の重要性を認識できました。自社の権利内容を理解することが、権利を活用する上でも重要であることも認識できたことが、窓口利用前と大きく相違する点です。


企業からのメッセージ

 知財総合支援窓口は、専門家相談も利用でき、知的財産権に関する相談以外でも、他の支援機関と連携して、課題解決を図ることができます。知的財産権活用の第一歩として窓口の利用をお勧めいたします。

窓口担当者から一言

 利用価値のある発明を成しても、その権利化から活用に至る道のりは、長く険しいものであることを改めて実感いたしました。事業化までもう一歩のところまで届いていながら、最後の詰めが容易ではありません。もう少しですので、引き続き支援を継続したいと思います。 (桐生 正人)

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掲載年月日:2015年7月14日

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