当社は、皮革小物製造販売を業として、2008年に設立しました。当初は販売店舗を持たず、HPのみで製品の紹介、販売を行なっていました。2009年より本格的に皮革小物の企画、デザイン、製造を始め、2014年に丸亀市内に現在の店舗兼ファクトリーを構えました。現在では、国内の大型店舗や百貨店、セレクトショップ等で商品を販売しています。
船舶設計士であったデザイナーが創作するプロダクトは機能性とオリジナルのデザインを重視し、他社には見られない独自性を持った商品が数多く誕生しています。当社では、多くの商品で知的財産権(特許・意匠・商標)の取得に努め、模倣品・類似品への防止対策を行なっています。
当社では、主力商品としてスマートフォン用のレザーケース(意匠登録第1390650号)を製造販売しています。この商品は、一枚のシート状の皮革を裁断のみで立体成型したもので、使うほどにフィット感が増す作りになっています。背面にICカードが収納できるので、パスケースのように使用することもできます。写真の商品は、スマートフォン用の「iWearシリーズ」で、当社の人気商品のひとつです。
同社の以前の事務所は香川県三豊市に所在しており、三豊市と香川県発明協会で月1回開催していた知財・技術相談会で、アドバイザーに相談をしたことがきっかけで、現在も知財総合支援窓口を継続して活用しています。
同社は、スマートフォン用レザーケースの模倣品が出回った際に、知財総合支援窓口に模倣品対策について相談を行ない、警告書の作成方法や、和解の条項についてアドバイスをしました。
同社は、新商品を創作する度に、意匠や商標・特許等について出願の相談を行ない、拒絶理由通知を受け取った際は、意見書または手続補正書の書き方等について相談をしています。また、模倣品を発見した際にも、知財総合支援窓口に模倣品対策の相談を行ない、弁護士等の専門家の無料相談を受けながら対応しています。
知的財産権については、申請から取得までに時間を要し、また、拒絶理由通知等では適格な意見書や手続補正書等の作成は難しいが、知財総合支援窓口を活用することで窓口担当者、専門家等ワンストップでトータルにサポートを受けることができました。同社は、知的財産権を取得し、模倣対策を行うことを通して知的財産権の必要性・重要性を再認識しました。
オリジナルのデザインによって生み出される製品を作る企業やブランド、個人にとって知的財産権の重要性は、多くの販売先や流通が確保された時、必ず感じると思います。
生み出す苦しみに対して、真似る容易さ。オリジナリティは自分自身で守るという意識を持っていただきたいと思います。知財の悩みや課題があれば、気軽に知財総合支援窓口を利用されることをお勧めします。
特許流通アドバイザーの時代から同社を支援しており、新商品を創作する度に、知財保護の相談を受けています。同社の商品はデザイン性、機能性に優れていますが、模倣されやすいため、模倣品・類似品への対策は積極的に行っており、知財戦略は順調に推進しています。 (黒田 茂)
掲載年月日:2015年9月 1日
更新年月日:2022年8月16日