慶長4(1599)年、当時の阿波藩主(蜂須賀家政公)により播州から招致された製塩技術者馬居七郎兵衛が、鳴門に塩田を開拓し製塩業を創始しました。創業以降410年、時代の変遷とともに新たな技術開発に取り組み、無機化学品メーカーとして、また化学薬品商社として脱皮・発展して参りました。製造部門として徳島県鳴門市に工場を持ち、商社部門としては東京・大阪・徳島の3営業拠点を展開し取り扱う化学品は100アイテムを超えております。徳島最古企業としての誇りを胸に、8回連続優良申告法人表彰を受けるなど、堅実な経営スタンスのもと新規開発に力を注ぐまじめでユニークな化学会社です。
独自技術で開発した硫酸マグネシウムは「7水塩~無水塩まで40グレード」を揃え、フォーナインを達成した高純度品も生産するなど、生産量・シェア日本NO.1メーカーとして、医薬・試薬・肥料・工業用途など幅広いご要望にお答えしております。既存製品の改質、改善、用途開発は、もちろん、これまでの経験を生かし、新技術開発へも果敢に挑戦しております。 近年では、乳牛の乳房炎予防剤の動物用医薬品シルキーディップやクリーンディーゼルに貢献するNOx還元剤アドブルーの工業化を達成することができました。また、コンクリート改質工法(特許第6588751号)を開発し、専用商品(リアクトライズ?・カルサプリ?)を販売するなど、新たな分野への挑戦も始めているところです。
当社15代目社長の立ち上げたバスアイテムとアートの融合したブランドが「ユマイ」です。2015年6月には、東京表参道にバスソルトブランドを主に提案するコンセプトショップ「NEHAN TOKYO(ネハン トウキョウ)」をオープンしました。作品それぞれに世界観を持った造形のアートボム、純度99.99%を達成した話題のエプソムバスソルトをはじめとした、こだわりの入浴剤、バスソルト、バスアイテムやライフスタイル雑貨、地元徳島の県産品など、厳選したアイテムをお届けいたします。
知財総合支援窓口では、地域企業に知財への関心をもっていただくための訪問活動をしています。その活動のなかで訪問させていただいたことが最初のきっかけです。そのきっかけを契機に、海外知財に関する相談や技術シーズの導入などで折にふれて知財総合支援窓口を利用されています。
同社の初めてのコンシューマー市場に向けた製品(入浴剤)を製造販売していることを知った窓口支援担当者が、同社の担当者にコンタクトをとり、当該製品の知的財産権保護についてヒアリングをさせていただきました。その際、当該製品の複合的な知的財産権による保護方法として、特許権による保護のほか、商標権や意匠権などの活用もできる旨のアドバイスを行いました。
その後、知財保護策として、商標と意匠による保護を検討することとなり、複数回の相談を実施しました。出願に際しては、代理人による出願ではなく自社出願にチャレンジしてみたいとのことから、窓口支援担当者が手続概要を説明するとともに、専門家派遣(弁理士・弁護士)を活用し、商標出願1件、意匠出願3件のサポートを行いました。(全件登録済)
同社の担当者(開発者)の方にとっては初めての自社出願であったため、当初は手続に戸惑うことがありましたが、1つ1つ丁寧にこなすことによって、登録までのすべての手続を行い、自社出願を成功することができました。担当者の方は、特許以外の知的財産に関する知識もこの経験を通して以前より豊富となり、同社における知財リーダーとして今後社内での活躍が期待されています。
当社のような中小企業は経営資源が限られており、大企業のように知的財産権を担当する専門部署がありません。特許庁のHPより特許検索などを行うことはありましたが、自社で商標や意匠を出願するようになるとは考えてもいませんでした。徳島県知財総合支援窓口の窓口担当者様への相談、更に弁護士・弁理士の先生への専門家相談を通じて、知的財産権の重要性を理解しました。今後は更に理解を深めて、自社の武器にしていきたいと考えています。
知的財産権を取得・活用することについて、自社出願という経験を通してわかっていただけたのではないかと思っています。紹介した入浴剤以外にも展開が広がっているようで、非常に楽しみにしているとともに、今後も知財を活用していただけるよう継続して支援していきたいと考えています。 (青木 幸司)
入浴剤の知財保護(342.3 KB)
掲載年月日:2015年9月14日
更新年月日:2020年10月22日