木材は、そのままでは腐食しやすく長期間の使用に耐えられないという欠点があります。当社は、この欠点を除去し、長期間の使用に耐えられる木材の生産を行うなど、木材の加工販売を中心とした会社です。得意先は、北海道から九州まで広いエリアにあり、日本全国に販売をしております。また、これからは、海外への展開を視野に入れております。
当社は、木材加工技術に熟練したベテランの従業員が居るので、高品質の製品を安定して生産することが出来ます。さらに、木材の防腐技術(特許第3766679号)を有し、これにより、長期間腐食に耐え得る木材を生産することで、当社商品は他社の製品と比較しますと、大きく差別化した商品を造る事ができ、得意先より大きな信頼を得ています。(写真は、サッカースタジアムのベンチに採用された当社製品)
当社は、住宅用アプローチ、ウッドデッキ、ガーデニング等用に、杉の枕木を主体に生産しており、この枕木は、防腐加工、木口割れ防止、背割加工、中古風加工等を施してアンティーク調の高耐久性を有しています。特に、ウッドデッキ材は、国産杉を使用し、販売拡大に力を入れております。
同社は、平成14年頃から、特許権、実用新案権、及び商標権を取得し、知的財産を重視した経営を開始しておりましたが、平成23年に知財総合支援窓口が開設されたのをきっかけに、窓口担当者に相談し、支援を受けることになりました。
最初に社長から、「古材風壁板」を商品化したので、これについて商標権を取得し、売上を伸ばしたいとの話がありました。そこで、工場見学をさせて頂き、また経営についていろいろとお話しをお聞きしました。最近、経営は順調になりつつあるので、ここで知財戦略を立て、さらに売上を伸ばしたいとのことでした。
社長は事業拡大への思いがあったので、ブランド戦略や経営に詳しい専門家と連携すべきと考えました。そこで、ブランデイングの専門家を派遣し、社長及び常務と共に打ち合わせを行いました。その中で、ブランド構築について、また、自社の強みや弱みを、競合他社と比較して客観的に判り易く表すポジショニングマップを作成して、販売戦略を立てることを学びました。
同社は、以前より、知的財産権の取得及び活用に理解があり、多数の特許権や、商標権を取得していました。しかし、これらの権利を経営に役立たせることについて確かな手ごたえは感じていなかったと推測しています。今回、販売戦略と知財戦略をリンクさせることで、経営を成功させるための知財の活用について、先ずは、その手法を理解しつつあると思います。
当社は、知財総合支援窓口が身近にあるので、それを利用して知的財産を構築しています。事業経営に知財の必要性を感じる時は、是非、身近な知財総合支援窓口の利用をお勧めします。
今後も知財総合支援窓口の機能を最大限活用して同社の経営戦略にリンクした知的財産の活用についてお手伝いしていきます。
(五十嵐 雅夫)
売上拡大のための販売戦略と知財戦略(1.1 MB)
掲載年月日:2015年10月28日
更新年月日:2023年8月29日