当社は、創業101年目を迎える「地域に根ざした」建設企業です。時代の移り変わりと共に、建設市場の競争は「高度化」「多様化」してきましたが、これまでのノウハウを活かし高い技術力と創造力で、地域発展の礎を築いて参りました。
平成16年から異業種分野への参入として、工事用保安用品の開発・製造販売にも挑戦し、本業の経営基盤をサポートするまでに成長しました。当社は、分野を越えた“ものづくり”で社会に貢献する企業を目指し、日々活動しています。
当社は、平成14年にドライバーの「脇見・居眠り運転」に起因するもらい事故を抑制するために、工事現場手前の道路面上へ円形マットを設置し、通過時に振動を与えドライバーに注意を喚起する「ピタリング」の開発に取り組みました。そして平成16年に販売を始め、平成26年9月現在で全国に16万個以上を販売しています。
このように当社では、安全性や作業性向上など建設現場の環境改善のため、現場従事者の声を拾い上げ、製品開発に取り組んでいます。
直径125mmのソーラー式小型LED回転灯「メガムック」は、専用アタッチメント部材を用いる事で既存の工事看板・セフティーコーン・単管バリケードなど工事現場の様々な保安用品へ装着できる多機能型ソーラー式回転灯です。
特に550mm幅看板へ使用するタイプでは「補助看板と回転灯」を組み合わせた、これまでにない「全く新しい」注意喚起方法を提供いたします。
LEDの点灯パーターンは7種類で、無線通信の同期点滅により喚起効果を更に高め、工事現場の安全確保に貢献する製品です。
窓口担当者が特許情報活用支援アドバイザーだった平成17年に、「ピタリング」の類似文献調査方法の支援依頼を受け訪問したのが始まりです。その後も「バリバン」も含め、複数の先行技術調査方法の支援要請を受け支援をしました。
「バリバン」の特許及び意匠を、青森県、伊藤忠建機株式会社及び同社の三者で出願した後、商標の自社出願について知財総合支援窓口で相談を受け、商標制度の説明、先行技術調査方法の支援を行いました。
その結果、同社はその後の複数件の商標を自社で出願できるようになりました。
「バリバン」に取り付けるメッセージシートについて、本体と違い簡単に作成でき社外品が販売される可能性があることから、社外品を阻止するためには意匠の登録が有効であることを説明し、意匠の先行調査方法及び、自社出願の支援を行いました。
その他にも「ピタリング」を応用した「ピタリングライン」などの先行技術調査方法の支援も行っています。
同社は知的財産権の取得だけではなく、知的財産権管理やブランド化にも取り組んでいます。
また、知的財産に関する契約でも、知財総合支援窓口の弁理士・弁護士相談会を利用して、「共同出願契約書」や「商標使用許諾契約書」などの契約内容の把握に務めるなど、知的財産実務の習得や活用に積極的に取り組む体制が構築されてきました。
知的財産の活用は、当社のように異業種参入などへ挑戦する“地方の中小企業”にとって、業界大手と対等に渡り合うための土台となります。その重要性を教えていただいたのが、知財総合支援窓口のスタッフの方々でした。知財知識の乏しい当社に対し、経験豊富なスタッフが丁寧に分かり易く、根気強くサポートしてくれました。今では、商品開発をする上で、欠かすことのできない“良きパートナー”であると感じております。
今抱えているその課題や悩みは、もしかしたら知的財産で“解決”できるかもしれません。気軽に相談することで道がひらけ、良きパートナーになることと思います。
同社の開発する建設関連製品は、業界での評価が高く、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」 でも高い評価を受けています。また、開発担当者が積極的に知的財産に関するセミナーに参加するなど、知的財産に関する意識の高い企業です。 (田中 智)
単管バリケード用衝撃緩衝材「バリバン」(460.9 KB)
掲載年月日:2015年12月 2日
更新年月日:2020年10月 7日