当社は、社長が東日本大震災以前に蓄光製品、および次世代照明製品を開発中の研究者と出会い、製品開発への協力並びに開発した製品の販売部門として、平成24年5月23日に設立いたしました。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降、いつ起こるか解らない災害に備え、夜間停電時に避難場所を案内表示する「無電源高輝度蓄光看板」並びに蓄光照明が人命を救うことに貢献できると考え、この事業に進出いたしました。
東日本大震災を踏まえ、災害時の安全対策が具体的に求められております。そうした中、当社製品の「無電源高輝度蓄光看板」等を地震・津波災害への備えとして設置することにより、暗闇の中、不安な人々を安全に導く“もしもの時の希望の光”となってくれることを期待しています。広域避難場所等への避難誘導システムの構築が、多くの人命を救うことに繋がるとともに、屋内外含めた安全・誘導システムの一層の改善が進むと考えられます。優れた安全対策製品を世の中に広め、さらなる開発で災害時に安心して避難できる案内板の普及に貢献したいと考えています。
当社では、「無電源高輝度蓄光看板」等の独立電源システムを活用した製品を中心に、製品開発に取り組んでおります。「無電源高輝度蓄光看板」は、わずかな消費電力で長時間面発光させる無電源発光システムです。
「小型ソーラーによる受光」→「コンデンサ等による充電」→「マイコン制御」により、UVLEDの光を蓄光板(蓄光パネル板)の裏面からバックライト式に照射します。そうすることでほんのわずかな電力で蓄光板を発光させることができます(特許出願済み)。
同社を支援していた方から、蓄光製品に使用する蓄光板の開発に係る秘密保持契約の締結についてアドバイスしてほしいとの要請があり、相談の対応をしたことがきっかけとなりました。
同社は、起業して間もない企業であり、人的資源も限られたため、専門家による支援も含め継続的な支援を行うことにしました。
蓄光製品に使用する蓄光板の開発を企業に依頼し、その開発に係る秘密保持契約を締結する予定ですが、契約内容が妥当かどうかアドバイスをお願いしたいという相談がありました。
契約内容は、研究開発の委託と製造委託契約となっており、同社も意図していない契約内容も含まれており、この契約の締結にやや不安を持っている様子でした。
このため、現状の契約内容では契約締結は行わずに、専門家のアドバイスを受けた後契約を結ぶようにアドバイスしました。
同社は、避難誘導用高輝度蓄光製品を開発するという目標を掲げていましたが、支援当初は開発する製品の焦点が絞り切れていない様子でしたので、開発する製品を限定するようアドバイスしました。
焦点を絞った製品を製作するための生産体制構築、製造委託に係る契約の整理等を窓口登録専門家(弁理士及び弁護士)によるアドバイスを受けながら指導しました。
当社は、当初蓄光製品関連の特許を多く持っていましたが、今後の事業展開に必要となる特許を整理し、必要な特許のみについて権利化を行いました。また、当社は、ファブレス企業であり、関連する部品等の製造は外部委託する予定です。外部委託に際しては、契約が重要となる事を認識し、契約書作成は窓口登録専門家(弁護士)の支援を受けることにしました。
新たに開発した技術の権利確保はもとより、新たな事業展開に際しての契約締結などで、弁理士や弁護士など専門家のアドバイスが無料で受けられますので、積極的に「知財総合支援窓口」を活用ください。
避難誘導用高輝度蓄光製品は、東日本大震災以降その必要性は充分認識されていますが、現状ではまだその要望を満たす製品は設置されていないのが現状です。同社の製品は、この要望を満たす機能を備えております。様々な展示会にも出展し、より広く認知されるよう努めていますので、今後の進展が期待されます。 (北坂 学)
災害時に避難場所を表示する「無電源高輝度蓄光看板」の開発(707.2 KB)
掲載年月日:2015年12月16日