坂井市は平成18年3月20日に坂井郡の三国町・丸岡町・春江町・坂井町4町が合併して誕生した人口約90,000人の地方都市です。
産業政策部 商工労政課(当時は産業経済部観光産業課)は労働、商工業を主な業務としており、商工業に関しては「中小企業振興対策に関すること」が一つの業務として挙げられています。
坂井市は平成27年3月に各種支援策を総合的かつ計画的に実施するための「坂井市中小企業振興計画」を策定しました。この計画により、地域経済の持続的な発展と地域活力を創造する街づくりの実現を目指しています。
人口減少に伴う地域活力の低下が懸念される中、中小企業が果たす役割は大きいため、中小企業の自助努力と多数を占める小規模事業者を坂井市全体で育て支援しています。
坂井市では中小企業等向けの支援制度の拡充を図っています。企業キャリア支援事業や人材育成事業、中小企業振興支援事業等により市内の中小事業の経営をサポートする様々な支援策を展開しています。特に今回、中小企業支援事業の中で、知的財産権等取得の支援が加わり、ものづくりや販路開拓の推進体制が強化されました。
周知活動、連携強化を目的に坂井市総務部を訪問。知財総合支援窓口について説明したところ産業経済部を紹介され、産業経済部部長を訪問しました。
知財総合支援窓口について内容説明と質疑応答を行い、特に坂井市では「越前がに」などの特産品があり、ブランド支援の必要性があることから、地域団体商標制度に関して説明を行い併せて知財に関する連携強化をお願いしました。
その際、部長が中小企業支援政策の中に知財支援を盛り込むことができないかと内部への提案があり、この提案を観光産業課で検討していただけることとなりました。
観光産業課と知財関係調査など連携して支援を行ってきました。
・ 坂井市の知財関係出願状況に関する調査、説明を行いました。
・ 知財関係権利を取得する際に必要とする一般的な時間、費用等の説明を行いました。
・ 坂井市内相談者と窓口相談あるいは訪問時、坂井市の知財支援制度に関して広報を行っています。
周知から始まった活動において、坂井市は平成27年4月より坂井市中小企業振興支援事業の中に「知的財産権等取得活動事業」として特許、実用新案、意匠、商標登録の産業財産権を取得した場合に要する経費(出願料、特許料、登録料、弁理士等への出願委託料など)を支援する政策を打ち出しました。
知財総合支援窓口の周知活動をきっかけとして知財に関する支援制度を平成27年4月より開始しました。窓口、電話などで10件ほどの問い合わせが来ています。このような支援制度をさらに坂井市の皆さんに知って利用していただき、中小企業の振興に貢献できればと考えています。中小企業のみなさん、相談無料で秘密厳守の知財総合支援窓口を活用し経営の高度化を推進しましょう。私共もさらに連携を強化して知財に関する関心度を深めてまいります。
周知活動から、このような制度の立ち上げにつながり感謝するとともに達成感を感じています。中小企業と最も近い距離にある自冶体に知財制度の重要性を理解していただき、補助制度を創設していただいたことは、今後この地域において知財施策を推進していく上で大きなアドバンテージになると思います。これからも連携を強化し中小企業の発展に努めてまいります。 (上野 昌宣)
知的財産権等取得活動事業補助事業施策支援(495.6 KB)
掲載年月日:2016年2月 8日
更新年月日:2024年2月16日