当社は、光触媒事業開発、熱水洗浄技術、コンクリート劣化防止技術、室内抗菌消臭事業開発、ガラス用透明遮熱コーティング剤開発を行っており、人に優しく地球に謙虚な環境技術を提供いたします。当初太陽光で、環境汚染物質を分解・軽減する光触媒の研究からスタートしました。そして酸化チタンの製造と密着の研究から、ワークの界面制御技術を中心とした研究に至り、コンクリート表面処理・最適界面制御技術として結実しました。これが、亜臨界領域の水を使った界面処理・洗浄方法です。明治村博物館の天童眼鏡橋保全改修工事で採用され、文化財の保護に貢献できました。さらにコンクリート構造物の脱塩・再汚染抑制への応用を目指しています。
ソーラー発電が、太陽光を電流に変換して活用しているように、太陽エネルギーを最適の形態に変換して環境商材化する技術に強みがあります。
酸化チタン光触媒は、太陽光の紫外線エネルギーでラディカルを発生させ、環境汚染物質を分解する技術です。
またガラス用遮熱コーティング剤は、太陽光の波長制御で近赤外線を反射させる技術です。いずれもエネルギー変換技術の応用であり金属酸化物のnano化技術です。
自社で、企画、製造、製品化を行っており、その中心技術が金属酸化物のnano化技術であり当社の強みです。
【ガラス用透明遮熱コーティング剤:クリアルマイサニーNano】
「ひょうご新商品調達認定制度」第8回認定事業者・新商品に選ばれた商品で、窓ガラスに塗るだけで、夏は涼しく、冬は暖かい『透明のカーテン』。エアコン設定温度を約2度節約でき、冷暖房費の20%程度の節電が期待できる節電・省エネ商品です。札幌ドーム・株式会社シマノ・錦帯橋空港他、病院・幼稚園・学校・特別養護老人ホーム等で採用されています。太陽光エネルギーを様々な形で制御し、有効活用して、「人も建築物も健康で、長生き、美しくありたい」そんな願いで開発した商品です。
コンクリート洗浄・再生法について、新規に開発した洗浄方法と自社の液体無機材料を活用して、塩分除去、塩害被害の防汚、コンクリート劣化抑制の技術開発をしているとき、自社で先行調査や発明提案書作成等行い、特許出願かノウハウ(営業秘密)による保護かで悩んでいるなかで、兵庫県の中小企業支援センターから知財総合支援窓口の紹介を受けたことがきっかけです。
同社は以前から特許出願等の知的財産活動に取り組まれており、兵庫県の知財総合支援窓口に、新技術の特許相談があり、窓口支援担当者による掘り起こしで企業訪問しました。その際に、技術内容のヒヤリングや今までの特許出願や権利取得の可能性等について支援し、後日、知財専門家弁理士と協働で訪問指導も行いました。
最初の特許相談の開発技術は、特許登録第5601484号「コンクリート構造物の脱塩方法及び脱塩装置」として特許権取得しました。その後、コンクリート製品メーカーと特許権を活用した開発技術の技術提携について、知財専門家弁理士と協働で、特許技術の実施状況やノウハウの取扱い等ライセンス契約内容の専門指導を行いました。
同社は、従来から特許出願等の知財活動は意識していましたが、今回の支援を通じて、開発技術の知財保護を積極的に行う形で特許出願とノウハウ秘匿の違いを理解しました。そして、コンクリート製品メーカーと権利化した特許を含めた技術開発を元にした技術提携契約を結ぶことができました。窓口のすすめもあり、この開発技術は平成27年度兵庫県発明賞を受賞しました。
当社は、今回の開発技術について、知的財産権の権利取得に当初目標としていた形で権利化し、権利を活用した形で事業推進することができました。特許権は、中小企業の武器になると同時に技術PRのツールにもなると実感しました。技術開発支援や知財創出支援として指導をくださるので、これからも知財総合支援窓口を利用させていただきたいと思います。
同社の「コンクリート洗浄・再生法」の発明は、塩害・凍害・中性化対策に有効で、最表面では、分解力の強い光触媒を強力に密着させます。文化財修復や道路関連塩害対策に機能を発揮します。事業が拡大するなか、知財が果たす役割が大きい企業です。 (孝橋 敦司)
「コンクリート洗浄・再生法」特許権取得活用支援(310.9 KB)
掲載年月日:2016年3月 8日