窓口支援事例
光メタルセンター株式会社
特許商標その他

「クラウンヒーター」開発で知財マインド向上

企業情報

所在地
山口県光市浅江5丁目25番3号
ホームページ URL
http://www.hikari-mc.co.jp/index.htm
設立年
2014年
業 種
鋼材加工業
従業員数
55人
資本金
15,000万円

企業概要

当社は、昭和30年設立の中國工業株式会社の事業を受け継ぎ、メタル(金属)の加工事業を行っております。
昭和31年より開始しましたメタル加工事業は普通鋼から始まり、昭和42年ステンレス薄板に、昭和62年ステンレス箔に、平成4年チタン薄板へと、高級金属への加工品種拡大を図ってまいりました。
また、ブレーキ(ベンダー)・プレス・ターレットパンチ・溶接機を装備しており、コイル素材から、そのスリット、レベリング、シャー、そして製品製作までを一貫して行う数少ない「メタルものづくり一貫メーカー」としての地位を確立してまいりました。
現在、その先の応用商品開発まで事業を拡大しており、今後も日本のものづくりをけん引していく所存です。

自社の強み

当社は、金属加工60年の経験を持つ中國工業株式会社から技術と人を受け継ぎ、新日鐡住金グループ会社としてさらに技術力の向上が期待できます。
光製鐵所に隣接し、新日鉄住金マテリアルズ(株)からの受託加工品ステンレス、チタンなど金属箔の素材が他社より入手しやすいため、技術開発など迅速に対応できます。

一押し商品

当社が開発した、ステンレス箔「クラウンヒーター」は、こうした当社の得意技術を利用した農業用発熱ヒーターです。
植物の根元(クラウン)のみを加温するので、ハウス全体を暖房する従来の農業栽培法と比較して、エネルギー消費量を大幅に低減することができます。
イチゴ栽培をはじめ、農業ハウスでの利用が広がっています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

同社は、山口県内の中小企業を支援する、(公財)周南地域地場産業振興センターからの紹介で、山口県農林総合技術センターと共同開発中のテープ状ヒーターについて相談するため、知財総合支援窓口を訪問されました。

最初の相談概要

同社は、開発したテープ状ヒーターについて2件の特許出願をされていました。そのうちの1件が拒絶査定となり、他の1件についても特許庁より拒絶理由通知が届いていました。
今後の技術や商品拡大には、特許権を持つことが必要であると思いつつも、遠隔地の特許事務所と意思疎通をうまくはかることができず、このままでは拒絶査定となりそうで困っておられました。

その後の相談概要

専門家(弁理士)や代理人と連携して、分割出願により、特許1件と実用新案権1件を取得することができました。また、社内で提案された商品名については自社で商標登録出願し、「クラウンヒーター」(根元及び、冠の意味)の商標登録をされました。
これをきっかけに、自社で知的財産権の手続をできるようにしたいと希望されたため、会社合併による社名変更に伴う権利の譲渡と名義変更の特許庁手続や、自動納付の手続等について支援しました。
更に、大手化学会社からの量産化の申し入れに対応するために、専門家(弁理士)を活用して、ヒーター材料に係る特許出願の支援も行いました。

窓口を活用して変わったところ

これまでは代理人任せにしていた知的財産の出願や管理を、「できることは自社で行う」という姿勢に変えることで、知財マインドが向上してきました。
これは単に、経費削減という効果だけでなく、知財を身近に感じるようになったという効果をもたらしています。


企業からのメッセージ

特許出願をして、拒絶理由書が届いた時はたいへん不安になりました。そうした時に知財総合支援窓口を訪問し、丁寧で的確なアドバイスをいただいたことで不安は一遍に払拭されました。専門知識のない者からすると、窓口の存在はとても心強く、安心できました。
知的財産の権利化は、一刻を争う場合があると思います。事業化を想定するのであれば、早急に窓口を利用することを検討し、専門家(弁理士)や窓口担当者から専門的なアドバイスを受け、確実に事務手続きを処理していくことが賢明だと思います。

窓口担当者から一言

普通なら専門家に丸ごと依頼されるような手続等を特許庁や窓口に問い合わせされたり、相談されたりしながら、自社で手掛けられたことで、知財が身近になり、知財マインドの向上にも結び付いています。
今後もこれらを活用して、開発を進められることを期待しています。 (小柳 正)

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掲載年月日:2016年4月21日

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