手加工主体に楢や欅、桜や楓、クルミやタモ等の広葉樹を使って、オリジナルの家具を製作しています。
おおば木匠の目指す家具は、シンプルなデザインでありながら、使いやすく、美しい家具。
そして、10年後より、20年、30年と時間を重ねる程魅力的になる家具。
ゼロからご要望の家具を製作します。
使用樹種、機能、サイズ、仕上げ塗装など、多くの選択肢の中から最善の組み合わせをご提案し、
綿密な打ち合わせの後、図面を作成し確認をいただいたのちに製作いたします。
納品後のメンテナンスも、承ります。
penna(ペンナ) 「2014 いばらきデザインセレクション」で『選定』を受賞。
評価のポイント/背もたれが背中のねじりをしなやかに受け止めてくれる。
それがかたちのテーマとしても生かされている。
「penna」はイタリア語で「羽」の意味。
フワッと、羽に抱かれているような座り心地の椅子を作りたいと想い、デザイン、製作しました。
使っていない時、後ろからの見え方にも気を配りデザインしました。
すべての要になる背板は、S字ライン状に積層成形してあり、体のラインに合わせた形状になっています。
そして、2枚の背板は独立しているため、上半身の動きに合わせ左右別々の動きをします。
気になる強度は、栃木県工業試験場で椅子のJIS規格強度試験(静的)を実施し、それをクリアしています
座った方の感想は、「初めての感触!」「フワフワする」「背中にピッタリする」「他にない感じ!」「綺麗なかたち」、など、高評価をいただいています。 意匠登録第1539860号
いばらきデザインセレクション2014に選定された椅子の意匠登録をしたいと言う事で窓口に来られました。
その時には既に自分で出願書類の下書きを持参されました。
最初の相談の時には既に自分で勉強されて、図面及び願書の下書きも出来ていましたので、主にその書式の確認などを行いました。
当時はIPDLで調査されるための検索の実演を行いました。
また、その時点でいばらきデザインセレクション2014の冊子が公表されていることが分かりましたので、新規性喪失の可能性が有ることも分かりました。
最初の相談の後、新規性喪失の例外の適用について、意匠出願の場合の経験が無かったこともあり、弁理士を派遣してその対応についてアドバイスを受ける事にしました。
いばらきデザインセレクション2014に選定された椅子の意匠登録を思い立ち、自社で勉強して図面及び願書を作成して、出願し登録する事が出来ました。オリジナル製品について全ての作品について意匠登録することは現実的ではないですが、自社の知的財産権について意識する事が出来る様になった事と、第三者の権利についてもリスペクトする事の重要性にも気づく事が出来ました。
費用や労力などのコストを考えると、オリジナルなデザインについてすべてを意匠登録するのは現実的ではないですが、記念碑的な作品について意匠登録をすることができて良かったと思います。
今回は自分で出願書類を作成し、自分で手続を行って登録までできました。
そのつもりになれば初めてでも窓口のアドバイスをもらいながら可能であることが分かり、良い経験になったと思います。
弁理士とともにお伺いした時、大場さんの工房は様々なオリジナル家具であふれていて、木の香りがとても印象的でした。
今回は新規性喪失の例外規定の部分を除いて、ほとんど自力で登録まで持って来られた大場さんの実力に感心しました。地域の同業者仲間の方にもこの経験を発信して頂き、知財について考えて頂く機会を作って頂ければと思います。
(阿萬 三司)
オリジナル椅子PENNA(ペンナ)の意匠登録(139.5 KB)
掲載年月日:2016年6月14日