カルトナージュ(Cartonnage)は、厚紙で組み立てた箱などに紙や布を貼り付けて仕上げるフランスの
伝統的な手芸です。
当社は、主にアトリエでのレッスン、出張レッスンを行っています。
当社のレッスンコースはBasic、Advanced、Skill up の3段階に分かれていますので、経験に合わせて
選ぶことができます。また体験レッスンも準備されています。
段階的に系統立てたカリキュラムで、カルトナージュ制作に必要な基礎力・応用力を身につけていける
ことが特徴です。
想像力を高めオリジナル品の創作の喜びを味わって頂くことが、主宰者の喜びでもあります。
当社のカリキュラムの一つである体験レッスンで手鏡(スタンドミラー)を作成するコースがあります。
このオリジナルミラーの作成を通じて自らもっと便利なスタンドミラーを作りたいとの思いから考え出したものが、
使うときに目線を下げずに、そのままの水平目線で自分の顔を見ることができるスタンドミラーです。
従来のスタンドミラーが、鏡の下端の係り止め位置を前後に変えることによって鏡面の角度を変えることができるだけの機能に対して、本スタンドミラーは、鏡の裏面側と表面側のそれぞれのカバーを2分割するだけの工夫により
鏡の高さをも変えることができるスタンドミラーです(本支援事例です)。
このスタンドミラーの製作は、大阪市の鏡製造メーカに製造販売のライセンスをし、大手スーパーをはじめ、全国販売を予定しています。
同社は、新規に試作開発したスタンドミラーについて知財保護を図りたいとの意向をもって、窓口に連絡を入れて来られました。
同社は、新規に開発試作したスタンドミラーが特徴的なものであるとのことで、それを保護したいとの意向を強く持っておられました。先ず試作品を検討したところ新規性および進歩性があるのではとの判断から保護する手段は特許であることをアドバイスしました。次いで本試作品の事業化は、自らの教室でのレッスンでの活用と商品化して一般流通できればとの思いが強いことから、特許出願を勧めました。
同社は、特許出願を行うと同時に早期審査請求を行い、権利化を目指しました。審査過程で拒絶理由通知を受けましたが、審査官の提示した先行文献との違いを明確にして意見書及び手続補正書を提出され、特許査定となりました。その後、本件特許の活用について相談を受け、大阪府鏡工業協同組合の会員企業を候補企業に定め、大阪府よろず支援拠点の担当者にその企業とのコンタクトを依頼し事業化マッチングに至りました。
弁理士も活用しながら企業概要に掲げているロゴ及び「Fabriko」の商標登録出願支援も行い、登録されています。
同社のウエブサイトで○Rをつけて使用しています。
その他にも、権利化支援の際に費用の軽減制度も紹介しました。
同社は、趣味のレッスン教室から、オリジナル製品の開発、その事業化へと大きな変身をしました。
特許取得だけでなく、商標も出願しオリジナルブランドの確立を図っています。
知財総合支援窓口は気軽に知財に関する相談ができ、単なる出願支援ではなく知財を事業活動に如何に生かしていくかの貴重なアドバイスも受けることができました。
この窓口を活用することにより、新しい経験ができることから知財総合支援窓口を活用されると良いです。
同社は、趣味のレッスン教室の主宰者が新しいメニューの創作を通じて生まれたものの権利保護、さらにはその活用事業化に繋げることができました。本事例は相談を受けたときに、その技術内容は簡単であり、これは事業化に結び付けやすいとの感触を持ちました。知財保護から事業化までを支援できたことは、窓口担当者として大きな喜びがあります。 (日裏 久英)
特許出願からライセンスまで(158.5 KB)
掲載年月日:2016年6月14日