当社は昭和56年の設立以来、自動車プラスチック製品の手作りや試作型による試作業務を主に
行ってきました。
近年、デザインや設計開発に注力し、自動車アクセサリーパーツなどの開発、量産も行うようになり、
さらにここ数年は医療等の分野でのお手伝いをはじめております。
プラスチック製品に関するあらゆるご要望に応えるため、日々技術を磨いております。
デザインから製品設計、試作、金型製作、量産を一貫で行える体制を整えており、より安く速く
最適なものづくりができます。
開発・生産・品質管理のための強力なソフトウェアや設備も充実させており、ワンランク上の
ご提案ができます。
■デザインスタジオ(定盤2面)
■デザインCAD(ICEM SURF)、設計CAD(CATIA V5)
■構造解析(CATIA V5 GPS/GAS)、流動解析(3D-TIMON)
■非接触測定機(COMET5)、CNC三次元測定機(APEX S)
「フットケアカバー」
糖尿病患者さんの中で、糖尿病足病変という病気にかかる人が増えています。この足病変を処置するため
専用の電動ドリルやヤスリ、ニッパーを使用していますが、フットケアカバーは、その処置の際に生じる
爪や角質などの削りカス・粉じんの飛散を防止する製品です。
看護師さんに何度も試作品を使用していただき、使いやすさを追求した製品を完成させました。
同社が今回開発したフットケアカバーは、医工連携補助金の活用にあたり、研究支援を行う公益財団法人ひろしま産業振興機構のひろしま医工連携推進センターのアドバイザーから知財の重要性についてお話があり、知財総合支援窓口に相談にこられました。
相談には、同社が試作したプロトタイプを持参してこられました。窓口では、特許・意匠・商標での保護について説明したところ、販売を請け負う企業と共同で補助金を申請して開発をするとのお話であり、同社の保有する知財を明確にするために特許の出願を進めることとしました。特許出願にあたっては専門家を活用し、特許出願をすることができました。
製品化が見込まれた段階で商品名称の保護を目的に商標のご相談がありました。訪問させていただき自社内で商標出願を行うための支援を行うとともに、最終製品を拝見し、当初出願した発明の内容と異なるところがあったことから、出願内容と最終製品との対比や優先権主張による出願の検討を提案しました。その結果、再度、専門家活用を行い、特許を優先権主張して出願されました。また、商標についても出願されました。
デザイン開発や試作開発を主にやってこられたため、自社商品の開発やそれにまつわる知財の保護は今まであまり取り組む機会がなかったものと思います。今回の製品開発において、同社社長および担当の方々が高い意識を持って積極的に取り組まれ、商品開発と知財戦略について社内での知見が蓄積されたことと思います。今後の商品開発にも役立てていただけるものと思います。
当社のように、中小企業では自前で知財活動を進めるのは難しく、いつ何をどうすればよいかわからないことが多いのではないでしょうか。
そのようなとき、知財総合支援窓口では大変親切に相談に乗っていただき、あらゆる疑問に答えていただけます。 ぜひご利用されることをお勧めします。
同社はデザイン力や開発力が優れており、今後も自社製品開発を継続されてゆくことと思います。同社の高い技術力を守ることに知財は有効に働くものと思いますので、今後とも積極的に取り組んでいただくことを願っています。 (柳下 加寿子)
医療現場のニーズを製品化。フットケア商品の知財支援(168.7 KB)
掲載年月日:2016年6月30日