全てのプロダクト(=商品)は具象としての「色/形/機能」だけではく、「なぜそれが必要なのか/なぜそうなのか/どうあるべきか」という概念も含めたデザイン(=設計)をすることで、その魅力がより明確となり、お客様にとっての商品価値が向上すると考えています。
当事務所ではこのプロダクトデザインを軸として、様々な事業へ協力させていただきます。
商品そのものの意匠だけでなく、それに必要なグラフィック、Web、写真、映像、3DCGなど周辺のデザインも包括することで、一貫したブランディングを行うことができます。
今回意匠登録で相談させていただいた、インスリン治療用機器を携帯するための商品、INSシリーズです。
とても医療機器が入っているとは思えない洗練された外観と、実際の1型糖尿病患者の治療手順をもとに設計された
内部構造によって、今までに無い革新的な商品として患者からの評価を得られています。
また、そのデザイン性の高さが認められ、Design for Asia Awards 2015で金賞を受賞することができました。
(意匠登録番号 1532742、1532743、1532744)
また、これらはプロダクトブランド i_llumi(商標登録第5996259号)として商品展開をしています。
同所はプロダクトデザイン , ブランディング , 商品企画等を行っており、糖尿病の患者さんがインスリン注射器やその付属品を入れる専用のポーチの開発を行っています。
このポーチの3つのタイプのデザインに関して意匠出願したいとのことで弁理士事務所に相談されて、知財総合支援窓口を紹介され、知財総合支援窓口に相談がありました。
相談日から4日後にポーチを福祉器具の展示会に出展するとのことであり、その前に意匠出願したいとのことでありましたが、相談者は3件の意匠図面を準備する時間的余裕がないとのことであったため、相談者には展示会の作業へ集中することを勧めて、意匠出願については新規性喪失の例外規定を利用した出願を6ヶ月以内にするようにアドバイスを行いました。
その後、ポーチの公開の事実が複数あることが判明し、その中で一番最初に公開した事実に基づいて、新規性喪失の例外規定を利用した意匠出願を6ヶ月以内に行うことになり、図面に代えて写真による意匠出願(3件)の支援を行い、拒絶理由通知に対する対応支援も行って、3件とも意匠登録になりました。
相談者は、意匠出願についてご自身で電子出願を行われ、またその後に支援したプロダクトブランドの商標出願についても電子出願を行われ、
知的財産権に対する理解が深く、新たな商品についての意匠出願も考慮中です。
担当の方が丁寧に出願までの手順やコツを教えてくださるので、わからないことや不安なことを安心して相談できます。
デザイン事務所ということもあり、特に知的財産権には気を付けなければならないので、今後も積極的に相談させていただきたいと思っています。
プロダクトブランドを立ち上げられており、デザイナーの感性を生かした商品づくりに対して、知的財産権を駆使した経営に活かす知財活動に向けた支援を継続していきたいと考えます。 (吉井 映滋)
インスリン治療用機器を携帯する商品のデザイン(493.9 KB)
掲載年月日:2016年7月11日
更新年月日:2022年1月13日