当社は、軽量粘土を使用して、人形や季節の飾り物、メモリアルグッズなど、他にはないオリジナルの作品を製作・販売しています。
また、イベントでワークショップを開いたり、講習会で講師を務めることを通して、大人から子どもまで幅広い年代の方に粘土の楽しさを広める活動をしています。
さらに、粘土以外の素材でも、それまでなかった新しい使い道を考え、アイデアを生かした商品を開発することもあります。
当社は、粘土の色の配合や作り方、使用する道具などをすべてオリジナルで製作しているので、他にはない特別な作品を製作することが可能です。
特にウエディングドールや、ベビーシューズなどに、お名前や記念の日付を入れることにより、世界に一つのメモリアルグッズとなり、お客様に大変喜ばれています。
また、粘土細工は年齢性別を問わないため、幅広い年代の方に興味を持っていただけるという利点があります。
当社の一押し商品は、画用紙で作った「折りたたみちょうちん」です。粘土とは直接関係はありませんが、こちらも私が考案したアイデアで作った商品の一つで、未使用時に折りたたんで収納できるという利点を持っています。形状も丸くて可愛いシルエットで、多くの方に興味を持っていただいております。
今回、この「ちょうちんを折りたたむ」というアイデアを、茨城県知財総合支援窓口の窓口支援担当者の支援を受け、実用新案登録いたしました(実用新案登録第3205830号)。
また、このアイデアを取り入れた商品を販売予定の企業とノウハウ実施許諾契約を結ぶことができました。
同社は今回で2回目の来訪となります。前回支援で取得した実用新案権はインターネットホームページなどで登録番号を表示することでユーザーからの反応変わったとの実感を得ており、今回は新たに開発中の商品について何らかの知財権を取得することで再度事業展開に活用したいとの思いで窓口に来訪されました。
同社の商品は、相談者オリジナルの粘土細工作品で地元の温泉施設のお土産品などとして注文が増加しています。今回の作品は紙を用いた手のひらサイズの折り畳み提灯で今までと違ったユーザー層を狙ったものです。最初の相談では、対象となる知財権として、特許、実用新案、意匠について知財活用の視点から説明しました。またヒアリングを進めていくなかで今回のアイディについて興味を示している企業の存在を知りその対応も今回支援の目標としました。
活用を検討するなかで知財権取得の目的を、宣伝効果向上および実施許諾契約による販売拡大とすることにしました。企業と実施許諾契約するうえで漠然としていた許諾案件について早期権利化により許諾案件を明確にする目的で出願は実用新案権としました。また特許への出願変更可能な明細書作成および実施許諾契約について専門的アドバイスが必要であることから弁理士派遣よる支援をすることにしました。実施許諾契約については、契約の種類および契約書ひな形の各条項の意味を十分理解したうえで、相談者自ら作成した契約書をベースに交渉に臨むようアドバイスしました。その後相談者が企業と数回の実施許諾契約交渉をし、実施許諾契約成立に至っています。
前回も含め実用新案権取得を事業にうまく活用できていること、そして今回の実施許諾契約書作成および契約成立を経験したことで知財の活用についてより広い視野を持てたのではないかと思います。より良い商品作りと、それを知財権でバックアップする仕組みを感じとれたと思います。
知財総合支援窓口では、初歩的な相談にも親切・丁寧にアドバイスをいただけました。知財権を取得するタイミングを逃してしまうともったいないので、小さなことでもよいので、疑問点があるときは気軽に相談してみることをお勧めいたします。
知財の活用に視点をおいて知財権を取得するという相談者の目的がコストパフォーマンスのよい知財活動につながりました。そして他と差別化できる製品作りに努力を惜しまない相談者の姿勢が今回の実施許諾契約締結に繋がったと思います。 (駒野 勝)
実用新案の活用(545.1 KB)
掲載年月日:2016年12月 8日
更新年月日:2019年9月 4日