創業1930年。秋田市で生まれて86年の時幸堂は、時計とジュエリーの専門店です。現在の代表者・藤井 政徳(まさよし)は3代目。創業者は祖父・幸之助(こうのすけ)。幸之助の父は羽後町の大地主。跡継ぎではない五男の幸之助を、医師にさせるべく東京へ出したそうです。しかし、なぜか時計に興味を持った幸之助は、父に内緒で時計の専門学校へ入校。それを知り父は激怒し、四男の時次郎に東京へ行って幸之助を連れ戻すよう指示。しかし、「ミイラ取りがミイラになる」とはまさにこの事。「兄さん、時計職人って面白いから一緒にやろうよ。」と言ったか言わずか、まんまと兄・時次郎を巻き込み、二人の名前を取り“時幸堂”は誕生致しました。
当時世の中の標準時間を示していたのは、気象台の時計でした。その時計の整備を担当するということは、地域を代表する時計職人だったということ。創業者・幸之助は、寡黙ながらも腕は確かで、気象台時計の整備と職人の卵たちの教育も担当していました。そのおかげか、他店で直せないと言われた時計やジュエリーの修理をお願いしに来る方が増えております。置いてある商品も特徴のある品揃えで、「ここに来れば、何か見つかる。」「他では見ない洒落たデザインね。」とご遠方からわざわざいらっしゃる方からも喜ばれております。「笑顔で丁寧に」をモットーにお客さまとしっかり向き合い、お一人お一人それぞれのご要望を真剣におきかせいただいております。
地球を構成する「大地」(Land)、「海」(Sea)、「空」(Sky)から一字ずつ取ってネーミングされた「Lay」は、JIKODO80周年を記念して作られたオリジナルのブライダルリングコレクションです。大地には芯の強さ、海には優しさ、空には自由さ…という理想の自分たちの姿がそれぞれのデザインにオーバーラップした方にこそ、ご愛用していただきたいリングです。技能五輪全国大会で優勝をした経験を持つ職人たちが一つ一つ手作りし、50年保証付きだから、毎日安心して着用できるブライダルリングです。そしてさらに、全国でもここだけのサービスである「結婚石R」が、お二人の幸せなご結婚生活をリングの内側から永遠に支え続けます。
同社社長が新商品として、新郎新婦の生年月日を基に鑑定した「石(宝石)」を入れた結婚指輪の企画をし、その「石(宝石)」に「結婚石」と名付けました。
この数秘術とカラーセラピーを融合させたオリジナルサービスの商品について何か権利で保護することはできないだろうかと知財総合支援窓口にご相談いただきました。
オリジナルサービスの方法も含めて商標で保護したいという社長の意向がありました。そこで商標制度について説明させていただきました。宝石にオリジナルサービスを経て「結婚石」と名付けたのであれば、同社の商品を識別するための標識として「結婚石」は十分役割を果たすことを社長に理解していただいたので、出願に係る制度説明、商標調査、出願手続きに関する実務的な支援を行いました。
その後、同社のオリジナルブランドのロゴマークについても出願支援を行い、「結婚石」を含む3件について商標登録されました。(商標登録第5463817号、商標登録第5468608号、商標登録第5468609号)またその後、中国からの不審メールをきっかけに弁理士相談を経て社名ロゴも商標登録されました。(商標登録第5786974号)
同社社長からは、最初に窓口を訪れたときから自社商品とサービスに対する思い入れがとても強いということが伝わってきていました。現在同社のHPでは、「結婚石」の後に(R)マークが付されています。権利取得しただけではなく登録商標としてきちんと使用していることが見受けられ、支援させていただいたことを嬉しく感じています。
商標登録というと、なんだか大企業が行うことであって我々中小零細企業には縁遠いことだと思っておりました。ただ、せっかく自社独自のアイデアを大事に育てていくために何ができるかと思案中に、ある方から商標登録のアドバイスをいただきました。実際はどうしていいかよく分からなくても、まずは窓口に気軽に相談してはいかがでしょうか。伊藤さんは本当に親身になって相談にのってくれますよ。
同社は、お客さまの商品選びに全力で親身になって対応しています。商品を通じて、お客さま一人一人の人生の物語作りに貢献していることが、店舗内の雰囲気やHPから伝わってきます。今後もJIKODOブランドを磨き続けていくことを願っております。 (伊藤 潤子)
オリジナル商品を商標権で保護(407.1 KB)
掲載年月日:2016年12月15日