当社は、富士山の麓、静岡県富士宮市に位置し、自社製品を世界88か国以上に輸出するグローバル企業です。生命科学の分野で独自の製品を生み出し、研究分野のお客様に感動を与える喜びと楽しさを追求します。「富士山の麓から世界へ」暖かく、元気な企業を目指しています。
創造性のある製品作りと卓越したサービスを提供することです。
同じもの作りであっても必ず何かの工夫や付加価値を付け、常に相手の立場に立った対応を実施するように心がけています。
かゆい所に手が届く様な配慮により、相手に喜ばれ、信頼される仕事をすることが社員の幸せを育むと信じています。
当社の一押し製品は「顕微鏡用細胞培養装置」です。顕微鏡下で、体内の環境を模擬することにより生きた細胞や組織を、長時間観察することを可能にする装置です。iPS細胞や再生医療などのライフサイエンス分野における、国内外の大学や研究所の最先端研究で活躍しています。
相談者は、職務発明規程を整備することで開発スタッフのモチベーションを向上させ、開発力を強化できないかと考えておられました。しかし、それを機能させるためにはどの様に取り組むべきかなどについて悩まれており、代理人の弁理士から窓口の活用を紹介いただきました。
訪問して確認させていただいたところ、特許庁HPで公開されていた職務発明規程を参考にした規程を有しておりました。しかし、制定しただけで機能していないと認識されており、規程を見直すと共に、どの様に取り組んだら良いかで支援を希望されました。そこで平成27年度の特許法改正により、職務発明制度が見直されたこと及び改正内容についてご説明し、施行日が平成28年4月以降になることから、それまでに職務発明規程を整備されることをお勧めしました。
平成27年改正特許法が施行されるまでに規程の整備を完了するべく相談者に作成いただいた規程案の問題点を指摘して修正案を助言し、多くの取り組みができるための助言をおこないました。さらに法改正専門家を派遣し、職務発明制度等と同社の営業秘密に関する管理規則についての説明などの支援をすることができました。その結果、平成28年2月には経営者と社員の方々と共に、顧問弁護士、顧問弁理士も同席した会議を開催いただき、最終的な規程整備となりました。
平成28年4月より、同社の新しい職務発明規程の運用がスタートしました。新しい職務発明規程は、開発スタッフのモチベーション向上を一番の目的としており、その制定過程に社員の方々が参加されたことにより、経営者の思いは十分に伝わり、全社一丸となって開発に取り組む体制が整ったと思います。
継続的に新規性のある独自の商品を提案していくためには、社員の発明への意識の向上と、職務発明規程の充実がとても大事なことだと認識しています。
今回このような機会をいただき、今後益々、開発型企業としてグローバルに活躍していくためにも、既存の社内職務発明規程を見直せたことはとても有意義なことでした。
今回の取り組みを通じて、経営者と社員の双方が納得できる職務発明規程を整備いただけたと思います。特に相談者の規程の内容は、社員の開発力を強化すためのモチベーション向上につなぐ手厚い内容となっており、この点は特筆すべきものです。今後は、この規程を着実に運用することで、開発型中小企業としてさらに飛躍されることを期待しております。 (中村 宏之)
開発力の強化に向けた職務発明規定整備支援(453.1 KB)
掲載年月日:2016年12月28日