当社は阿蘇山のふもと、カルデラの中で農業と農産加工品づくりをおこなっています。地域の特性を活かした事業展開を心がけており、地域の伝統野菜の栽培・加工・販売や、地域資源である草原では牛と羊の放牧・商品化に取組んでいます。
農業の担い手として地域ブランドを大切に育て、より多くの方に阿蘇地域を楽しんでほしいと思っています。
当社は、人気の観光地である阿蘇地域にあり、近隣の販売先だけでも多くのお客様が見込めます。旅の想い出や、お土産になるような加工品をつくっていきます。
また、広くある畑で原料の栽培から手掛けることで、他にない商品展開ができると考えています。
地域伝統野菜である阿蘇高菜の種を使ったマスタードです。
今回、知財総合支援窓口の支援により「阿蘇タカナード」という商品名に決まり、商標出願を行いました。
この「阿蘇タカナード」は、これまで一般的に食用として利用されてこなかった高菜の種に着目した商品です。
阿蘇高菜は漬物が有名ですが、今回のマスタードは洋食にも使っていただけます。阿蘇の特産品をより多くの方に楽しんでいただければと思います。
同社が、6次産業化について支援を受ける中で、6次産業化プランナーから「商品名はすぐ真似されるので商標登録を行った方が良い。」と勧められ、知財総合支援窓口を活用されることになりました。
同社の主力商品である「阿蘇高菜の種を使用したマスタード」について、類似品が出回るようになったため、知的財産で保護ができないか相談がありました。マスタードの製造方法については、通常の製造方法であったため権利化は難しく、商標を取得することにより他社製品との差別化を図ることを提案しました。
「阿蘇高菜の種を使用した食品は珍しいこと」また、「相談者の阿蘇を思う気持ちを活かすこと」をコンセプトに、商標およびブランド支援も得意とする知財専門家(弁理士)、6次産業化プランナーと協働でネーミングの検討を行い、商品名「阿蘇タカナード」が決定したので、早急に商標出願を行いました。
商品にあったネーミングの検討を行い、商標出願を行ったことにより、その後は積極的に商品のPRを行うことができるようになり、様々な食品関係の展示会への出展や商談会にも参加し安心して自社商品および商品名のアピールをしました。その結果、商品名が浸透し多くの方々に自社商品を知ってもらうことができました。また、熊本県等が主催する「熊本県農産加工食品コンクール」において金賞を受賞。マスコミの取材も増え、商社から声が掛り阿蘇地域で販売されていた商品が、熊本市内での販売も検討されるなど確実に販路が拡大してきました。
商品がすばらしいのはもちろんのこと、商標出願を活用したPR効果の表れだと思います。
6次産業化を行っていくうえで「一生懸命考えたものは真似されたくない」と思うようになり、知財総合支援窓口にたどり着きました。窓口を通すことにより、本来なら依頼できないような専門家の方に相談することができました。守秘義務に対する体制がしっかりされていて、安心して利用することができました。
農家ですので知財なんて関係ないと思っていましたが、そんなことはありません。
規模の大小に関わらず真剣に向き合ってくださり、アイデアの段階から支援して頂いて本当に嬉しかったです。6次化に向かっている農家の方々にも広めていきたいと思います。
同社の「一生懸命考えたものは真似されたくない」の思いに、商標登録を行い他社との差別化を図ることを提案いたしました。商標を活用し「阿蘇タカナード」の知名度、売上がこれからますます向上していていくことを期待しています。 (宮﨑 聖子)
商標出願で販路を拡大しよう!(590.7 KB)
掲載年月日:2017年1月11日
更新年月日:2022年2月14日