窓口支援事例
株式会社青山産業研究所
特許意匠その他

特許権の名義変更支援

企業情報

所在地
兵庫県篠山市
ホームページ URL
http://www.aoyama-kohaze.com/
設立年
2014年
業 種
製造業
従業員数
2人
資本金
300万円

企業概要

 大正8年に大阪で金属加工業を創業、大正10年より「こはぜ」専門メーカーとして事業を続けてきました。「こはぜ」とは、足袋などの合わせ目を止める爪型の金具です。戦後、和装離れの状況下で各社それぞれ生き残りをかける中、決して「こはぜ」事業を絶やしてはいけないとの先代からの申し送りを守りながら、ゆるまないナット=アンダーホールナットの開発など、もうひとつの柱を育ててきました。平成26年に社名変更を行い、現在は兵庫県篠山市に本社工場を移転して、「こはぜ」の製造販売の拡大ならびに新たな事業展開を図っています。

自社の強み

 「こはぜ」において、開発力、多種多様な製品への対応力、当社独自の技術による柄の多様性、国内外にもつ顧客ネットワークを活かしており、国内では当社しかできない事業展開により、経営革新事業としても認証されました。また、顧客からのご要望に応えるため、独自のネットワークを最大限に生かしながら、アパレル業界をはじめとした他業界の企業とともに最適なものづくりを目指しています。

一押し商品

 【アンダーホールナット】 「ネジが弛んでしまう」「ネジが錆びる」「ネジとナットの隙間から水漏れする」といった悩みに応えて開発しました。世界で最も厳しいと言われる振動試験(ドイツユンカー振動試験)でも評価されており、オリジナルの形状のものも作ることができます(特許4121508号)。
【こはぜ】 縁をかしめ、製作している他社の「こはぜ」と異なり、当社の「こはぜ」は真鍮線を巻いて縁どりしているため、耐久性、弾力性、バネ性に優れています。また、当社の「こはぜ」を用いたブレスレットも開発しています(意匠登録出願中)。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社の前身会社は、2010年に組織変更を行いました。しかし、特許の権利移転手続をしていなかったため、前身会社の名義のままになっていました。兵庫県信用組合や兵庫県中小企業団体中央会の支援を受けて、経営革新計画の承認を受けるにあたり、知的財産権の整理をするべきとのアドバイスがあり、兵庫県中小企業団体中央会から知財総合支援窓口の紹介を受けました。

最初の相談概要

 旧会社名義の特許を、現在の同社名義に変更したいとの相談を受けました。他2社との共同出願であり、特許料の支払いも続けておられたため、権利として存続していました。派遣専門家の弁護士を活用して、旧会社の復活(清算結了の取消)、共同名義の特許の権利移転の専門指導を行いました。その結果、清算した会社名義の特許を、現在の会社名義に変更することが出来ました。

その後の相談概要

 同社は、強みである「こはぜ」の製造技術を利用した鞄やブレスレットなどのアクセサリーの製造販売にも進出されおり、アクセサリー関係についても知的財産権での保護を相談されました。そこで、知財専門家である弁理士を活用し、弁理士の専門指導により意匠として出願することが出来ました。

窓口を活用して変わったところ

 同社は、特許などに費やせる時間も少なく知的財産の活用も十分には行うことが出来ませんでした。今回の支援を通じて、保有する特許の有効活用と新たなる知的財産取得への取り組みを行うことが出来るようになられました。知的財産権により競争力を高めながら、売上を向上し、事業を拡大されています。


企業からのメッセージ

 知財活動を進める時間もなく資産の有効な活用ができないままでいたとき、知財総合支援窓口があることを教えていただき、大変懇切丁寧に相談に乗っていただきました。おかげで懸念していた特許の問題も解決され、さらに新たに意匠も出願でき、今後の事業展開に弾みがつきました。ぜひご利用されることをお勧めします。

窓口担当者から一言

 同社は、「こはぜ」自体の製造技術を元に発展してきた会社ですが、「こはぜ」を利用したアクセサリーなどの製造販売にも取り組まれており、より消費者に近いところに進出されようとしています。これからは、ブランド構築などについても、支援を継続してきたいと思います。 (藤本 正一)

特許権の名義変更支援(306.1 KB)

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掲載年月日:2017年2月17日

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