当社は、良質の建築用資材を海外から直接輸入し、自社工場で品質管理・製品化、直接建築現場に納入する事により安価で高品質な建築資材を提供しています。匠の伝承、また勘に頼ってきた従来の木造建築から「2x4工法」・「新在来工法」を提案する事により、構造計算・スパン表等の根拠に基づいた信頼性の高い建築方法を普及しています。また、経営理念に「人間の『生命』、『財産』、『健康』、『幸福』、『快適性』を守る住まいを提供する事を通じ、人間として真に豊かで充実した楽しい人生を共に歩もう」を掲げ、その理念は企業経営に対する基本的理念、姿勢とし、仕事の最終目的は、経営理念の達成としています。
「2x4工法」・「在来金物工法」をさらに合理化するため、自社工場で加工精度の高い構造躯体の面(床、壁パネル)を製作して現場に納入します。そのため、建築現場での作業が削減され、工期も短縮されます。加えて、管理も容易になり、生産性が大幅に上がるだけでなく、工場で加工して搬入するため、人件費、残材処理費も削減されます。また、木造住宅の屋根を支える構造に、三角形を単位として組まれた構造形式であるトラス構造を採用しています。 三角形に組むことで各部材にかかる荷重が分散され、バランス良く釣り合い、構造の安定を図ることが出来ます。
一押し品は「木造建築とトラス屋根」の組み合わせの家屋をお勧めします。いろいろな屋根の構造に合わせてトラス屋根を設計することによって、住宅を構造的に安心な空間として造ることができます。家族の成長に合わせて、必要な時に大空間へ壁を付けたり取り外したりすることが簡単にできます。また、将来家を売りに出す時、『間取りが家族構成に合わない』という理由で売れない、或いはそれが原因で値引かれることを避けられます。
公益財団法人埼玉県産業振興公社の先端産業振興グループが推進している「次世代住宅産業プロジェクト」に同社も参画する中で、トラス構造の屋根と木造建築を組み合わせると、コーナーの補強材(火打ち)が不要になり、部屋空間も大きく取れ、部材の削減につながることが提案されました。それらの様々なメリットを確認し、公社からトラス屋根住宅の特許・実用新案出願の検討を提案し、知財総合支援窓口で相談を受けることになりました。
住宅にトラス屋根を乗せることによって、家の上限梁や火打ちを省くことができ、部屋の高さ空間を広くします。また空間が広がるトラスは木造住宅の屋根を支える構造に適しています。こうしたことから、従来工法での屋根の構造とトラス屋根の構造図を確認し、先行技術調査の仕方について説明を行いました。
上記調査の結果を受け、トラス屋根の構造については、先行技術があるので、構造だけでは権利化は難しいことをアドバイスしました。併せて、従来工法の柱との結合方法及びトラス屋根の組み合わせ構造などで権利化する方法、その建築手順を工法として権利化する方法も説明し、特許出願することを勧めました。
初めは建築構造の特許出願での相談でしたが、建築工法も特許の対象になることを説明したところ、建築構造と工法について特許の権利をとりたいとの意向で特許出願に繋げました。また、開発した建築構造とともに工法に対しても知的財産で保護していくとの意識が高くなったと感じます。
特許申請の概念を間違えて認識していましたが、知財総合支援窓口を知ってから一変しました。自社で開発製作した「物」を特許申請出来ると思いがちですが、色んな事で特許申請出来ることを知財総合支援窓口で教えて頂きました。経験豊富な知財窓口担当者がちょっとした事まで、親身になって相談に乗ってくれます。一度訪ねる価値があります。
高精度品質のパネルとトラス屋根を組み合わせて1日で組み立てる工期の早さに感心しました。また屋根の形に合わせトラスを設計することにより広い空間が造れることは、使い易い家が造れるという魅力を感じます。 (小林 公)
トラス屋根の木造建築(317.0 KB)
掲載年月日:2017年3月21日