当社は、金属溶接加工業として製缶、機械部品、精密板金、自動車部品運搬用パレット・ラックなどを製造しております。金属溶接加工のプロ集団として、常に高い技術とコスト意識を持ち、「はやく」「きれい」「正確」を限りなく追求してお客様と社会に貢献いたします。
豊富な知識と技術で、お客様のニーズに対応。
特に、溶接技術の評価は高く、SS(鉄)材、SUS(ステンレス)材はもちろん、AL(アルミ)材の溶接も手掛け、不可能を可能にする技術力を強化する体制づくりを心掛けています。また、レーザー切断機を3台完備し、切断から加工、組立の一括受注対応。塗装や機械加工等サプライヤー(協力企業)と共に、提案型でお客様の信頼を得ています。相談により、現場据付工事にも対応。各種、作業免許の資格取得率は、全社員の90%を占めています。
防衛医科大学校(元岩手医科大学)秋冨慎司医師の救命救急現場におけるニーズ・助言に基づき、いわて産業振興センター等の支援を受けて開発・製品化した「ストレッチャーラック」は、急病人等を搬送するためのストレッチャーに、短時間で確実に取り付けることができると共にモニターや人工呼吸器等の各種医療機器を安定的に固定させることのできる機構(特許第6317790号)を有する装置であり、救命救急現場において搬送効率を高めることができるものです。
「ストレッチャ-ラック」の事業化支援を行っている(公財)いわて産業振興センターの方からの相談を受けたのがきっかけでした。その後、製品化に向けて開発を行っている企業として紹介を受けました。
「試作品の完成度も高くなってきており、今後の製品化に向けて、いわて産業振興センターの方からのアドバイスもあり権利化について相談したい」というのが最初の相談でした。
ヒアリングを行い、知財総合支援窓口の支援内容及び製品化・事業化する上で今後必要な知財活動(先行技術調査・権利侵害調査、権利化手続き)について説明しました。さらに、特許出願するための一般的なステップ及び知財活動に活用できる支援策を説明しました。
中小企業等特許情報分析活用支援事業(特許庁委託事業)を活用することで、実施する上で障害になる権利が発見されないこと、特許化の可能性があることの把握ができました。また他社製品との対比により強み・弱みが明確化されました。適切な弁理士を複数回専門家派遣すると共に日本弁理士会特許出願等復興支援制度を活用することで、コストを抑えて有効な特許出願を行うことができました。
このような知財活動を行った後、H29年3月から本格的に販売が開始されました。
事業を行う上での知財活動の必要性・重要性に気づかれ、支援制度をよく理解され積極的に活用されました。特許制度やその活用の基本的事項(特に特許情報の調査・分析の重要性)について理解されました。最終的には自社で商標出願を行うところまでスキルアップされました。
初めて知財に係る自社製品を製作・販売することになり、知財の知識に乏しい企業にとっては、絶対に活用すべき窓口です。一見、敷居が高そうですが、懇切丁寧に指導してくださり、応援してくださるので、とても感謝しております。
あるニーズに対し関係する支援機関が連携し製品化・事業化できたモデルケースになるような事例と考えられます。事業の進捗状況に合わせて各種の知財関連の支援事業をタイミング良く組み合わせることできました。今後は、自信を持って製品を市場に提供していただきたいと思います。 (中嶋 孝弘)
ストレッチャーラック事業化のための知財活動(449.7 KB)
掲載年月日:2017年5月29日
更新年月日:2022年1月 6日