当社は、グループ企業ジャパン・アグロノミスツ株式会社が運営してきた秋田県美郷町の「兎農園」の生産部門を分社化して生まれた枝豆の生産会社です。現在は、枝豆の生産事業のみを行っていますが、将来は「農」と「食」と「秋田の気候風土」を生かした地域活性化にも取り組みたいと考えています。
当社は枝豆の企業的生産に対応しており、県内でも屈指の生産出荷設備が充実しています。生産・販売を一貫して行う「兎農園」をジャパン・アグロノミスツ株式会社(販売)と協働して運営することで、安定したビジネスを成立させています。「兎農園」のマルチブランド戦略により市場流通向けブランド「美郷のうさぎ」(商標登録第5911868号)と産直ブランド「月兎豆」(商標登録第5911869号)を展開し、夏の1ヶ月間に30tの「美郷のうさぎ」を人口30万人の秋田市に安定供給することで経営の安定化を図っています。
好味枝豆「美郷のうさぎ」(秋田県内市場流通向け)、夢見る夜の嗜好品「月兎豆」(産直ブランド、県外向け)です。これらの美味しさの秘密は、
・名水百選の町六郷の地下水(15℃)でのやさしい冷却洗浄
・厳選種子「美郷小町」「美郷美人」等の使用
・日の出前の収穫と徹底した収穫後品質管理による鮮度保持
・特選有機質肥糧の活用による独自の風味の醸成
の4つにあります。
同社社長は、以前から知財総合支援窓口が全国に設置されていることはご存じでしたが、活用したことはありませんでした。しかし今回、同社の一押し商品である「美郷のうさぎ」や「月兎豆」の名称を第三者に使われたり、あるいは同社が使えなくなったりすることなく安心してブランドを育成していきたいとの意向を持たれて、知財総合支援窓口に来訪されました。
同社社長は以前に商標出願された経験があり、今回もこれらのブランドを守るため商標登録を検討されていました。このため、事業計画を聞き取りながら出願の区分や指定商品の選択についてアドバイスをさせていただき、先行商標調査や登録願作成の支援を行いました。
その後、商標出願した2件の登録査定通知が届いたため、登録料やその納付方法等についての説明をさせていただきました。登録料納付書作成の支援を行い、無事それぞれ商標登録となりました。同社グループは個人名義と法人名義で複数の登録商標を持っておられますが、後日その維持管理の方法についてもご相談いただきました。
商標を取得されたことで安心してブランド構築や販路開拓に取り組まれ、新たな取引先の拡がりも見せています。知財総合支援窓口への相談をきっかけとして同社グループのブランド構築に関し、あきた産業デザイン支援センターとも連携して支援することを予定しています。またブランドの有用性に対してさらに理解を深められ、今後ブランドを活用したライセンスビジネスの展望も開けたように思われます。
秋田県知財総合支援窓口は公益財団法人あきた企業活性化センターに併設されており、その親切で親身なサポート体制は、中小企業の活性化に大きく役立ちます。ぜひ窓口を訪問してみてください。
同社は需要者へ安心と満足を提供することに真摯に取り組んでおられており、同社のブランド育成のお手伝いをさせていただいたことを嬉しく思います。今後も同社の発展に役立つ支援をしていきたいと考えております。 (小松 敏成)
名水が育む枝豆のブランド構築支援(705.6 KB)
掲載年月日:2017年6月12日
更新年月日:2019年8月19日