窓口支援事例
株式会社 大島屋
特許人材育成

底付き感を減少させた敷物の特許出願

企業情報

所在地
岡山県倉敷市
ホームページ URL
http://www.ooshima-ya.com/
設立年
1952年
業 種
い草製品の製造・卸売
従業員数
27人
資本金
1000万円

企業概要

 当社は創業以来、い草製品をはじめ、竹・籐などの天然素材を中心に、商品の製造・卸売を行っています。会社理念に「仕事ができる幸せ」「家庭を愛する幸せ」「社会に貢献できる幸せ」を掲げ、幸せを追求する会社を目標に邁進しています。また、幅広い層に向けた販売活動を展開し、お客様に満足して頂ける品質を誇る会社になるためにも、人材育成に力を注ぎ、常にクオリティの高い商品の提供を心がけています。

自社の強み

 当社は、自社で材料(い草)の栽培から、柄やデザインまでの製造工程を管理しているため、お客様に合わせた商品、売り場に合わせた商品を企画・開発できることが強みです。そのため、現代の生活様式や住宅の仕様の変化に対応し、安全に快適に生活して頂ける商品の開発・改良を行っていくことができます。い草の良さ、商品の良さを伝え、お客様に満足して頂き、またご購入頂くことが、ひいてはい草を使った生活スタイルの継承に繋がると考えています。
 また、世界規模で環境問題が取り沙汰されるこの時代、当社は環境に主眼を置いて素材栽培の段階から安全レベルの向上に努め、更にい草の利点を研究開発しながらアピールしていきます。

一押し商品

 フローリングの住宅が増える中、敷物のクッション性は不可欠です。当社一押しのエラスティックラグはクッション材にこだわり、衝撃を吸収しヘタりにくい素材を採用することで、ソフトな弾力を保ちながら床への底付き感をなくし、もし転倒された場合の衝撃を軽減します。また、お部屋の形に合わせ、自由な組み合わせで敷物をジョイントして使って頂けます。
 表面にはい草を使用しているので、い草特有の香りによるリラクゼーション効果により癒しの空間にもなります。また、い草の湿度調節機能により暑い季節でもサラサラで、防汚の機能も優れている等、お客様の悩みを解消できる敷物です。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は岡山県の伝統産業である、い草製品の製造・販売をされており、常に顧客に提案できる新商品開発に取り組まれています。これまでにも本開発品以外で、同社社長から知的財産権の保護に関する相談を受け、対応させていただいています。今回のエラスティックラグは、開発段階で知的財産権の保護を検討しながら開発を進めたいとのことで、同社社長から相談をいただきました。

最初の相談概要

 試作品が完成した直後に電話で同社社長から相談を受けました。幅広い知的財産権の保護を目指したい意向を持たれていたため、初回から専門家を活用したほうが良いと考えて弁理士を派遣しました。商品コンセプト、最終製品のイメージをお聞きしたうえで弁理士とともに検討し、特許または実用新案による保護が良いと思われることや、特許等出願を前提としたアドバイスを行いました。

その後の相談概要

 何度かの改良を重ねた上での開発がほぼ完了し、顧客からの評価も得た段階で相談をいただきました。今までの相談者は同社社長1名でしたが、開発担当者にも同席していただきました。弁理士の派遣を行い、最終製品の形態、顧客への開示状況(日及び内容)を確認し、出願内容(案)及び新規性喪失の例外規定の適用についてアドバイスを行いました。

窓口を活用して変わったところ

 開発したエラスティックラグは販売にあたり特許出願中の表示をしており、販売開始前の想定よりも売り上げが多かったとのことで、特許出願による広告、他者牽制の効果を実感いただきました。その後の相談において、開発担当者が具体的に出願までの検討の進め方を経験されたことは、人材育成の観点からも有効であったと考えます。現在はその開発担当者より、別の開発品の相談に対応しております。


企業からのメッセージ

 当社の特徴を活かし、商品の差別化を図っていくことが、商品の価値を高めていくと考えています。今回、知財総合支援窓口を活用させて頂き、商品のこと以外にも勉強になる部分もありました。開発した商品を改めて見直し、客観的な目線で見ることができました。まず、知財総合支援窓口で相談をして、順序立てをして頂き、開発商品の認識を深めていくことが重要だと思います。

窓口担当者から一言

 開発したエラスティックラグは足の床への底付き感が少ないため、足の弱い方だけでなく、健常者でも起こりうる転倒時の衝撃を低減するものであり、今後ニーズが高まるものと考えます。今後の開発製品でも知的財産権の出願・保護・活用を積極的にされることを期待しております。 (重田 賢一)

底付き感を減少させた敷物の特許出願(212.9 KB)

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掲載年月日:2017年6月12日

更新年月日:2022年1月25日

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