当社は、十和田市と奥入瀬渓流の中間に位置しており、戦後すぐに創業した赤坂土建が基礎となり、現在は三代目が事業を引き継いでおります。社名は、旧十和田湖町の「十」と、初代 赤坂 武の「武」を組み合わせ、十武(とうぶ)建設株式会社としました。
業務内容は、主に砂防整備工事、道路改良工事、駐車場整備工事をしております。
今まで培った技術をさらに磨き、創意工夫をもって、お客様の快適な環境づくりを目指して地域と共に、地域に愛される会社を目指しています。
当社で開発した杉樹皮歩道用舗装は、杉の伐採作業の過程でほとんどが産業廃棄物として焼却処分されている樹皮(バーク)を特殊加工して、自然歩道や公園・遊歩道・病院等の散策路などに施工するものです。
バーク舗装の利点は排水性・適度な弾力性もあり、接着剤も海から抽出した酸化マグネシウムを使い、環境にも配慮しております。 また、雑草の抑制にも効果があります。
[SUGI ROAD]は「青森の杉山から暮らしの足もとへ」をコンセプトに、廃棄される杉の樹皮をリサイクルして生まれた地産地消の自然と人に優しいソフト舗装です。
[SUGI ROAD](商標登録第5880767号)は、「舗装材、バーク舗装構造、舗装材製造方法、およびバーク舗装工法」(特許第6600770号)として登録されています。
近年では、従来の重機により転圧工法の他に、吹付装置による吹付工法もしており、斜面の法面保護や山岳道路などの、重機が入れない現場でも施工できるようになりました。
同社社長が、肥料として一部が活用されているだけで大多数が産業廃棄物として処理されている杉樹皮(バーク)を歩道用舗装材にする事業を検討しており、その相談を受けた十和田市内の別の建設会社 からの紹介で、知財総合支援窓口を訪問されました。
杉樹皮(バーク)を歩道用舗装材にする事業と、それに関連する出願についての相談を受けました。そこで、先行技術調査の必要性を説明し、特許調査と類似工法の技術調査、実証試験を行うことを依頼しました。
最初の相談から2年後、県の補助事業「青森県建設新技術発掘・展開強化事業」に採択されたことをきっかけに、事業化、出願、ブランド化について相談がありました。
事業化の相談に対しては、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターのコーディネーターを紹介して、経営革新計画の策定と、「ものづくり・商業・サービス新展開支援」等の助成金申請の支援をしました。
出願については、知財総合支援窓口の無料相談会を利用するとともに、県の補助事業「青森県知的財 産事業展開促進事業費補助金」を利用して弁理士による先行技術調査を行った後、1件の特許と2件の 商標を出願されました。
ブランド化については、県主催のセミナー「自社ブランドのデザイン企画に取り組んでみよう」に参加していただき、よろず支援拠点のコーディネーター、青森県産業技術センターの研究管理員及び知財総合支援窓口から派遣した知財専門家(デザイナー)と共に支援を行いました。
研究開発の取り組み方と、助成金や支援機関の活用方法を知っていただきました。また、自治体を対象としたBtoBビジネスから、一般消費者を対象としたBtoCビジネスの取り組み方を学んでいただくとともに、ブランド化の取り組みについて、商標を活用した自社及び自社製品の周知方法や表現方法を知っていただくことで、知財を意識した経営感覚が醸成されました。
特許の出願だけではなく、研究開発や事業化の取り組み方も支援をしていただきました。また、出願後も、宣伝方法やブランド化の支援をしていただきました。新たな事業を行う企業の方も相談なされてはいかがでしょうか。
社長には辛抱強く、開発・権利化・事業化に取り組んで頂きました。今後も開発技術の権利化や全国展開等の事業面を、関連機関と連携しながら支援をしていきたいと思っております。 (田中 智)
「SUGI ROAD」歩道用杉樹皮舗装(325.6 KB)
掲載年月日:2017年6月13日
更新年月日:2020年10月 8日