窓口支援事例
太陽インダストリー株式会社
特許社内体制

知財活用経営

企業情報

所在地
福岡県北九州市
ホームページ URL
http://www.taiyo-industry.co.jp
設立年
1965年
業 種
製造業
従業員数
499人
資本金
30000万円

企業概要

 当社は創業以来、段ボールケースの製造・販売を原点に、常にお客様から認められるモノづくりをグローバルに展開してきました。
 当社の50年の歴史の中で培われた豊富な経験とノウハウを活かして、今日では各種梱包資材をはじめ、FRP成型品・人工大理石・レジンコンクリート製品等、多種多様な分野で事業を展開しています。
 そうした中、次の50年を見据え、全てのステークホルダーの皆様の満足を高め、誰からも愛され、社会の発展に貢献する企業を目指して、常に全力を尽くしています。

自社の強み

 当社の主要事業の一つであるレジンコンクリート製品は、主に下水道器材や港湾関連器材として利用されています。レジンコンクリート製パイプは硫酸に対して優れた耐食性を有しており、圧送管路末端部、伏越しの下流部、工場排水、温泉排水および海水の浸入等、多量の溶存硫化物が生成される環境にある管路施設に有効です。また、内面の平滑性が優れており、ヒューム管と比べ約30~40%の流量増を図れるため、布設勾配が小さくとれ、同一勾配では1サイズ小さな管径の使用が可能となります。

一押し商品

 当社のレジンコンクリート技術を応用したインゴットスライス台用組成物と、それを用いたインゴットスライス台です。レジンコンクリートは高強度、耐摩耗性、電気絶縁性、振動減衰性、接着性、切断加工性などに優れた特性を有しているため、シリコンインゴット(右図青部)をレジンコンクリート製スライス台(右図白部)に取り付け、ワイヤーでスライス加工します。当社のレジンコンクリートは主に下水道向け器材でしたが、素材の持つ特性を活かし、新しい事業分野を開拓することができました。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は、レジンコンクリート製品でこれまでに無い新しい分野を開拓された企業です。
 同社はレジンコンクリートの基本特許も権利化しており、同社事業に大いに貢献しています。このような状況で2015年に改定された職務発明制度に対応する社内規程を制定したいと窓口相談されたのがきっかけです。

最初の相談概要

 「新しい職務発明規程に準拠した社内規程を作るにはどうしたらよいか」というのが最初の相談でした。そこで専門家(弁理士)の派遣制度を活用し、従来の制度と改定された職務発明制度の差異や社内規程で対応すべき要点などを説明し、具体的にレジンコンクリートの事例を使って、報奨の基準設定シミュレーションをアドバイスしました。

その後の相談概要

 専門家(弁理士)の支援を受け、職務発明制度に対応した社内規程を制定し施行することができました。また、レジンコンクリートの新規事業分野は異業種交流をきっかけにした発案でしたが、他にも特許情報を活用して新しい開発分野の探索をしたいという相談がありました。そこで中小企業特許情報分析活用支援事業(研究開発段階)への応募を勧め、応募の結果、採択されました。

窓口を活用して変わったところ

 同社はレジンコンクリートの成功をきっかけに、社員の開発モチベーションアップにつながる職務発明規程を制定しました。また、定期的に経営者と社員が参加する知財委員会を開催し、共同開発契約等に関する契約書の雛形も作成、運用を開始し、知財情報をより高度に活用しようといった知財に関する意識が大きく変わったと感じます。


企業からのメッセージ

 社会に愛され貢献できる企業にとって、コンプライアンスは基本だと思います。職務発明制度は社員のやる気、実績に報いる制度でもあり、営業秘密を保護するツールの一つとも言えます。制度の制定には窓口相談や専門家派遣制度などの支援を受けられますので、皆様にもぜひ活用をおすすめします。

窓口担当者から一言

 職務発明制度、契約問題、特許情報活用などの相談を受け支援しました。同社の知財に関する活動は、多くの中小企業の手本となるようなものであると思います。今後、新しい職務発明制度で技術開発が活性化することを期待し、その知財相談でも支援をしていきたいと思います。 (熊本 洋)

知財活用経営(193.9 KB)

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掲載年月日:2017年7月19日

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