越前まこも会は、会員20名で構成され、丹生郡越前町小曽原地区で「まこも」の共同栽培を行っている団体です。栽培の始まりは「荒れていく休耕田を生かせないか、何かできないか」と探し続けて、13年前に運命的に出会ったのが「まこも」の栽培です。イネ科の多年草であるまこもの茎の肥大している部分を「マコモダケ」といい、中華食材として重用されています。13年の歳月をかけようやく市場に自信をもって送り出せるようになりました。司辻会長を中心に無農薬、無化学肥料栽培で育てられたマコモダケは「越前まこも」として商標登録を行い、まこもを使用した加工品の開発も行われ
てきています。
食の安全安心、環境にやさしい農業、地産に取り組んだ「越前マコモダケ」は特別栽培農産物として、福井県認証を取得しています。平成28年10月には越前まこも会が主催した「第9回全国マコモサミットin越前」が開催され、全国から約380人が参加、2日間にわたり基調講演、生産地情報交換などが行われました。さまざまな方の応援とネットワークにより広がった人的財産が、越前まこも会の強みと思っています。
精魂込めて栽培された「マコモダケ」が当会の一押し商品です。マコモダケは食感と食味、風味が非常によく、塩、コショウで炒めた炒め物、てんぷら、から揚げ、サラダなど様々な料理でおいしくいただけます。まだまだ、食べたことがない人がたくさんおられると思います。
また、まこも全体を粉末化したパウダー製品も販売しています。パウダーをそば粉に混ぜ合わせ、打ったそばを大根おろしと共にいただくと、ほんのりおいしい風味のある、そばを味わうことができます。その他コロッケやお菓子に混ぜ合わせたり、抹茶塩の代わりにまこも塩でいただくなど、いろいろな料理、商品に応用できます。
十二単を着た可愛いまこもをイメージして商標「まこも姫」を新たに取得、本年よりさらにイメージアップして販売していきます。
越前まこも会会長は、生産した「マコモダケ」の調理方法を福井市内の料理学校に相談する一方、全国マコモサミットを2016年度に開催するとして、それまでに商標登録を検討していました。これを知った同料理教室の校長から、当窓口担当者に対して「商標を教えてほしい人がいる」と紹介があり、支援することになりました。
当初は「越前まこも」の商標登録出願を区分30類、31類で検討していましたが、出願に際しての準備や意見交換を重ねる中、「越前まこも」は登録困難も予想されました。そこで、専門家(弁理士)を派遣して出願区分に関するアドバイスを行い、まずは30類のみの出願を代理人に依頼することとなりました。その後、同出願は見事登録となりました(商標登録第5790445号)。
「まこも」は当然野菜としての販売も考えられるため、次に区分31類での出願を検討しました。窓口支援を活用し、今度は同会会長自らが出願を行いました。問題もなく無事登録(商標登録第5860591号)となり、目標の商標30類、31類での商標登録ができましたので、その活用方法に関して説明し、意見交換を行いました。
知財総合支援窓口を活用していただいて、商標を取得したことにより、同会会長を中心とした会員の皆様に商標の重要性を認識していただくことができました。全国大会の講演の中でも当窓口支援を取り上げていただき、「越前まこも」のブランド戦略は順調に進んでおります。また、栽培法の検討や、品質の向上、さらに製品開発まで積極的に取り組んでいらっしゃいます。
皆様の協力で「第9回全国マコモサミットin越前」を無事終えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。料理学校から知財総合支援窓口を知り、念願であった商標登録ができ、自信をもって大会に臨むことができました。私ども6次産業を手掛けている者にとって、様々な相談のできるネットワークは非常に重要で、今後も当窓口を活用していきたいと思っています。今後皆さんに喜んでもらえる商品に育てていきたいと会員一同努力してまいります。
料理学校校長の一言で始まった支援で、全国マコモサミットに間に合うように商標登録ができ一安心しました。また、全国マコモサミットにも応援参加でき、同時に様々な人たちと連携しながら全国大会を無事成功された同会会長にエールを贈りたいと思います。これを機に新たな商品開発、市場開発が展開できればと期待しています。 (上野 昌宣)
「越前まこも」のブランド化支援(530.4 KB)
掲載年月日:2017年7月 5日
更新年月日:2022年8月12日