当社は、農家の仕事への思いから出発しております。造園・農業資材の卸売りを中心に1978年に創業後、通信販売(造園資材、農業資材、農薬、種、肥料)、農産物生産、農産物加工(野菜)及び店舗運営の各事業を展開してきました。
また、経済産業省中小企業庁より、地域資源や地元の若手人材を活用し、地域の活性化に貢献したことで2016年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されました。
“いかに地方を活性化していくか。若者が夢を持って働き、生活を送ることができる地域になれるか。高齢者にとって便利な生活環境を整えていけるか。”これらは全てその土地で頑張っている企業の力によるところが大きいと考えています。企業が元気なら、若者が増え、地域が活性化し、生活環境は充実していき、誰もが住みたい街がつくられていきます。
当社は人々が豊かに生活できる街を支え、貢献していける企業として発展して参ります。
当社は、地域の発展・活性化を目指し、新たな事業を計画し、実行に移しており、その一つとして「日本全国食宝館」の大きな看板(高さ7m×長さ23m)の下、日本全国から選りすぐれた食品・食材・特産品を集めて販売しております(2016年9月オープン)。
ここには、食品購入だけでなく、日本の様々なことを体験できるスペースがあります。郷土芸能のイベントなども行い、周囲の観光スポットや、飲食店、見学体験施設への案内、移動ができるような施設も作る予定です。
外国人観光客の方々が日本に来られた際の思い出を作れる場所になるよう施しておりますが、近隣周辺やこの地域へ観光に来られる日本の方々にも楽しんで頂けるような施設としても運営して参ります。
同社は、日本全国から食品・食材・特産品を集めて販売するお店のネーミングの相談で、知財総合支援窓口に来られました。
このネーミングは、日本中にある道の駅とは違い、その土地の産品だけでなく「日本中の美味しい産品などを集めたお店」を意味するもので、その土地の産品を中心としていないことが特徴とのことでした。
希望するネーミングは、小売りサービスに使用する文字商標であることを確認し、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)での検索方法を説明しながら、先行登録商標の存在を確認しました。その確認の際、他人の登録商標との関係で侵害問題が発生する可能性が有ることを説明し、専門家(弁理士)の助言を得たほうが良い旨をアドバイスしました。
同社を訪問し、建設中の看板の大きさに圧倒されました。その看板に大きく記されたネーミングについて、支援を依頼した商標専門の弁理士からも、このネーミングの使用は侵害問題の恐れが考えられるとの指摘がありました。その後、小売り・サービスに使用する文字商標の検討の仕方について、同弁理士から分かり易く説明が有りました。そして、同社の社長と若手従業員等の十分な検討がなされ、看板の修正コストを極力抑えた、文字商標「日本全国食宝館」を商標登録出願することに決定しました。この商標登録出願は商標登録第5904524号として登録に至り、この看板完成後に経済産業省の林経済産業大臣(当時)をはじめとする視察団が来られました。
知財総合支援窓口の活用により、商標について他人の権利を侵さない事前確認の重要性を実感されました。そして、小売り・サービスに使用する文字商標についても、同社で検討できるレベルの知識を得ることができました。また、この商標の検討を通じて、同社の社長と若い従業員とは、さらに良い関係を築くことができました。
医者に例えるなら、“担当医”としての知財総合支援窓口と、“専門医”としての弁理士等の専門家との協働による支援により、小売りサービスでの商標の使用について、丁寧で親切なアドバイスを受けることができました。知財関係の“病”に病んでいるのなら、ぜひ“専門医”の支援も併せて受けることのできる知財総合支援窓口の活用を、お勧め致します。
同社は、地域を盛り上げるための一つの手段として、「日本全国食宝館」をオープンしました。建設された大きな看板に記された超大な文字が、“地域は自ら作らなければならない”という強い思いの表れであること、また自社だけの目線でないこと等を知り、今後ともぜひ支援をさせて頂こうと思います。 (齋藤 廣志)
侵害問題発生を回避した後の新規商標の取得(506.3 KB)
掲載年月日:2017年7月31日
更新年月日:2022年9月 7日