窓口支援事例
有限会社田中エンジニアリング
実用新案商標

委託設計から独自開発商品化への脱皮

企業情報

所在地
千葉県富津市
ホームページ URL
-
設立年
1987年
業 種
製造業
従業員数
2人 
資本金
300万円

企業概要

 当社は、基本的にはユーザーの注文による受注生産の会社です。当社では各種装置の構想段階からユーザーの仕様を満たすように社内にて研究開発を実施し、設計・試作を繰り返し、ユーザーと打合せながら製品化を進めています。ユーザーの要望に加えて、プラスワンの設計・製作をすることで最終的には顧客満足度の高い機械、装置を提供することを基本理念としています。

自社の強み

 当社では、顧客ニーズを正確に把握する経験を有しております。ユーザーのニーズが一品一葉な機械・装置であることに対応し、当社独自の研究開発技術を駆使して、ニーズに合わせた完成品を納品することができます。他社では委託製造して貰えないような小ロットでも提供できることを特長としています。これまでの注文事例は植物工場の機構改良、鉄板の梱包装置、キムチの白菜切断装置、ドラム缶の運搬機等があります。

一押し商品

 当社にて新たに開発した野菜類の根切り自動化装置で、作業者の安全性を考慮し、安全保護機能を付加したものです。ラッキョウやネギなどの根の部分だけを簡単かつ安全に切断することができ、余分な表皮をエアーにて剥離することができます。従来製品は大型で導入コストが高かったのですが、当社製品は小型で狭いスペースでも作業でき、農家一軒単位で購入して作業することも可能で、効率的な農作業を行うことができます。この装置は実用新案登録済(実用新案登録第3204749号、3194998号、3194997号)で、販売に際しては自社ブランドの商標を用いて市場投入しています。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は、これまで委託設計中心で、開発した部分も含めて特許出願までは至らず、委託業者が出願した例がありました。今回は自社オリジナルの開発で、自社商品として製造・販売までのビジネス計画を構築し、自社市場を開拓する上で、知財戦略を含めて知財総合支援窓口に相談がありました。

最初の相談概要

 商品のコンセプトに関係する技術文献が他県の工業試験場等から発表され、他社の公開特許公報も見つかったため、特許出願と他社侵害回避の相談がありました。また、同社は、既にラッキョウやネギの根切り自動化装置を提案しているものの、小さな農業者には高価なため、安価な装置の開発によりビジネス化する相談も受けていました。最初の相談の結果、商品の開発目標を農家の手作業を効率化する方向で進めることになりました。

その後の相談概要

 同社は、第1試作品から発明のポイントを確認し、先行技術文献の調査結果を踏まえて発明提案書をまとめる工程を試作品毎に繰り返すことにより、開発商品が権利で保護される形態を意識して開発を進めました。
 権利化の費用や今後の改良も考えて、まずは実用新案登録をしました。この商品は生産者に喜ばれる商品となるよう改良を加えながら、さらなる開発設計を進めています。

窓口を活用して変わったところ

 同社は、知財総合支援窓口を利用することにより、知的財産権で保護した独自技術を戦略的に活用し、自社ブランド(商標出願中)によるビジネスの展開を積極的に進めています。


企業からのメッセージ

 委託による受注事業から、自社商品によるビジネスを展開する場合、知的財産戦略および知的財産を有効活用した経営を行うことが大変重要であるため、知財総合支援窓口に相談することをお勧めします。

窓口担当者から一言

 委託受注製造中心の会社が、自社技術のオリジナリティを活かした自社モデルを商品化することにより、研究開発成果の権利化による自社技術のレベルアップと、知的財産権保護体制確立を重視する企業マインドの変革が見られました。 (近藤 健治)

委託設計から独自開発商品化への脱皮(412.4 KB)

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掲載年月日:2017年8月 3日

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