窓口支援事例
株式会社深水
商標ブランド

鍛造刃物の商標について

企業情報

所在地
鹿児島県枕崎市
ホームページ URL
http://fukamizu.com
設立年
1977年
業 種
製造業
従業員数
16人
資本金
1,000万円

企業概要

 当社は、大正8年に枕崎市で鍛冶屋から創業し、工具・金物小売、サッシ/エクステリアなどの販売・修理などの事業を展開して、昭和52年に法人化しました。刃物の技術を生かし、地元枕崎の鰹節工場で使われる薪を製造するための薪割機を開発するなど「地元の皆様に愛される企業」を目指し、活動しています。また、当社は、2017年3月10日に鹿児島県指定の伝統的工芸品「薩摩深水刃物」の生産者に指定されております。

自社の強み

 当社は、勤続年数が長い熟練技術者が多いことが強みです。熟練技術者は、技術力が高いことをはじめ、豊富な経験により応用力が高く、お客様の要望に対して自由な発想で対応することができます。量産化が進み、統一規格による既製品が一般的ですが、既製品では対応できない要望にも当社は対応することができます。

一押し商品

 【伝統的な製造方法を超えた製品「薩摩守」(さつまのかみ)】
従来の鋼を使用した刃物は、切れ味は良いものの錆びが発生し、ステンレス鋼を使用した刃物は、錆びにくいものの、刃が柔らかいと切れ味がすぐに悪くなり、硬すぎると研ぎ直しが難しくなるという課題がありました。
 『適度な硬さ』と『錆びにくさ』を併せ持つステンレス鋼材はあまり存在しませんが、この薩摩守は、最適と言われる銀紙というステンレス鋼材を使用しています。切れ味にこだわり、刃を薄く造り、刃の厚みは約3mmです。また、握り易く、手に馴染む従来の木柄を使っています。毎日使うものですから、「楽に」、「楽しく」料理をしていただきたいという思いをこめた、鋼の進化と伝統技術が合わさった商品です。

知財総合支援窓口活用の概要(記:窓口担当者)

窓口活用のきっかけ

 同社は、鍛冶のブランド構築のため、商標登録を検討しておりました。それまで協力いただいていた弁理士が引退し、相談先がなくなったため、鹿児島県よろず相談拠点に相談され、同拠点より、知財総合支援窓口を紹介されたのが訪問のきっかけです。

最初の相談概要

 これまでは弁理士に依頼されていましたが、自社で商標を出願したいとの相談であり、専門家(弁理士)を交えて、登録までの流れや、権利範囲や留意すべき点(他者への侵害・類似性)についてアドバイスし、実際の出願手続きについて支援しました。その結果、ブランド構築における商標の重要性を強く認識され、自社で2件の商標を出願するに到り、2件とも登録になっています。

その後の相談概要

 社長個人名義の登録商標の権利者を法人に変更したいとの相談を受け、住所変更の手続きと併せて、手続き方法を支援しました。これまでに相談された案件は全て解決しており、自社製品のみならず、県内同業者と連携して鹿児島の伝統工芸品生産者として、県内鍛造刃物の販売拡大に努めておられます。

窓口を活用して変わったところ

 同社社長は、自社製品のブランド強化のために、商標出願が必要であることを認識され、自ら窓口に来訪されました。分からないことは何でも積極的に質問されたため、短い間に商標の出願手続から商標のビジネスへの活用まで、幅広い知識を習得されたと思います。今回の経験を踏まえて、良いもの作りへの拍車がかかると期待しています。


企業からのメッセージ

 自分では難しいと思っていたことも相談することにより、大枠でしか理解していないことが整理され、課題・やることが明確になり、次のステップへ進むことができました。自分では無理だと思っていても相談することにより、新たな視点で見えたり、直ぐに解決策が出なくても専門家を紹介していただけたりしますので、躊躇せずに相談することをお勧めします。

窓口担当者から一言

 自社商品の商標を全て取得されるまで複数回相談を受けました。些細なことでも遠慮無く相談いただけたので懸案事項が全て解決しました。今後、伝統的工芸品「薩摩深水刃物」の普及に向けて同業者との連携を図りつつ、商標を活かしたブランド戦略により、他社との差別化を意識した販促に努められることを期待しています。 (濵石 和人)

鍛造刃物の商標について(457.9 KB)

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掲載年月日:2017年8月22日

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