向日葵設計では建築やインテリアから雑貨まで様々なものをデザインしています。それらの共通する特徴として、「いちまい、いちまい」をコンセプトに1枚からデザインすることを追求している点が挙げられます。その企業コンセプトをわかりやすく、推し進める一つのブランドとして、後述の「オリニギリ」を中核とした業務を進めています。
「衣食住をデザインする」をモットーにアトリエや組織設計事務所での経験を生かしつつ、既成概念にとらわれないデザインを追求して形にしていきます。伝統の中に新しいものを発見し、最先端の中に懐かしさをミックスする、柔軟な視点を常に持ち続けたいと願っています。
「オリニギリ」は折り紙とおにぎりを掛け合わせた造語です。
一枚の紙から色々なスケールの建物を設計する過程の中で偶然発見した発明で、今までありそうでなかった商品です。手に取り、折り紙遊びをするプロセスでおにぎりが出来上がります。正方形の平面が立体になる折り紙、その折り紙と同じ形のおにぎりが現れます。まさに食べることができる玩具です。オリニギリで「工作ごはん」という新しいライフスタイルを提案していきます。
「オリニギリ」に関する意匠登録出願に対する拒絶理由通知書への対応を検討していたところ、特許庁審査官から「知財総合支援窓口」で提供されている電子出願環境の活用を紹介されたことで最初のコンタクトがありました。その際の電話にて審査官面談を反映した補正書が作成出来ていることを確認し、窓口の電子出願環境を利用して補正書を提出することになりました。
窓口の電子出願環境から意匠登録出願の補正手続きを実施しました(2016年10月)。その際に多数の意匠を都度登録することは、費用と労力が過大になり特許出願での進め方を検討したいとの意向をヒアリングしました。また海外への活動を視野に入れていることも伺ったため、「知財総合支援窓口」の支援内容、特許庁の出願助成制度、海外への意匠、特許出願手続などの支援施策を紹介しました。
補正した意匠登録出願は10月末に登録となるとのことで、公開前に特許出願を完了する計画とし、窓口に定期的に来館され明細書作成等の支援を行いました。その後10月中旬に専門家(弁理士)指導の結果を反映した上で、電子出願環境から特許を出願し、同時に意匠及び商標の登録料を納付することで、商標と意匠の登録手続きを完了しました。その後、特許出願に拒絶理由通知があったため、再び専門家(弁理士)と手続補正書、意見書作成について相談するなど支援を行いました。
日本の伝統文化の代表とも言える折り紙を活用して、日本の代表的ファーストフードである「おにぎり」を作るという面白いコンセプトを窓口の支援により権利化した結果、安心して積極的な情報発信が可能になりました。昨年12月からは、全国ネットの放送局などからの取材を受け、多数メディアに向日葵設計が取り上げられています。(以下URL参照)
TV東京2016.12.21:http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/trend_tamago/post_123734/
ジャパンタイムス2017.01.01:http://www.japantimes.co.jp/life/2016/12/31/style/breakfast-served-style/#.WGyTXJI3FWc
窓口は知財権を活用する方法・手続の仕方について、なんでも相談することが出来て大変有効です。皆様もぜひ一度窓口に連絡してみてはいかがですか。
建築設計事務所が折り紙を活用し、知財権を生かした事業化を進めることに引き付けられます。折り紙の形をしたおにぎりが完成し、食べられるので、誰もが楽しくなれるこの「オリニギリ」の製品化を早期に期待するとともに、外国人を含む多くの人に拡がることを応援します。 (守川 修平)
既成概念にとらわれないデザインの追及(174.8 KB)
掲載年月日:2017年8月21日