当社は、江戸時代に新橋付近で、創業者の長井長左右衛門が始めた「蟹屋」がルーツで、ビスケットの製造は国内で2番目、1900年頃に始めた老舗です。
1974年、甲府での製造を開始し、現在では官公庁用のカンパン、輸出用のビスケットのほか、健康志向ビスケット、防災食としてのソフト乾パンを手掛けています。
お陰様で長年の経験と、創意工夫による技術でお客様の信頼を得ております。
ビスケット、乾パンに特化した専用メーカーであり、長年の製造ノウハウの蓄積により高品質を維持するとともに、昔ながらの味を保っています。右の写真は本格派ネービー乾パンであり、3年間保存可能です。
知財面ではブランド形成に力を入れ、登録商標も右のラベル商標を含め、12件となります。
右の防災食(ソフト乾パン)は、5年間の長期保存が可能です。
ソフト乾パンの包材を防災食仕様とし、耐ピンホール性、遮光性、
低透湿性、低酸素透過性を満たす新規なフィルム(実用新案登録第3205801号)を使用しています。このフィルム「カリヤバリヤ」(商標登録第5934152号)は、他社の長期保存食品用包材として使用できるため、知財権の有効活用も視野に入れております。
上記のソフト乾パンは、県事業「やまなしトライアル発注認定制度」の防災食認定を受け、コンパクトで軽量、硬くなく、災害時の持ち出しが容易という優位性を備えております。
同社は、以前より商標に関心を寄せていましたが、他社からの商標権侵害警告を契機に、強く知財の重要性を認識するようになり、「知財総合支援窓口」を訪れました。
他社からの侵害警告に対してどのような対応策を採ったら良いか相談を受けました。「知財総合支援窓口」では、弁理士及び商標・ブランド専門家を派遣し、それらの専門家と供に解決策の総合的なアドバイスをしました。
同社は、高品質に裏打ちされたブランド形成を心掛け、新商品を出す場合には必ずその商品のネーミングを行い、商標登録するために「知財総合支援窓口」に相談しております。
また、防災食用の新規包材フィルムの幅広い知財権取得の相談を受け、総合的な知財戦略を構築するために登録専門家(弁理士)の派遣を行いました。
同社は、主にB to Cの商売をしており、そのため商標についての関心は以前からありましたが、窓口の活用により包材についての技術的に特徴付けた実用新案権を取得することができました。
今後も、商標に限らず、パッケージデザインについては意匠、技術的な工夫については特許・実用新案、また、弊社には製造技術のノウハウが沢山ありますので、知財ミックスによる保護で今後とも競争優位性を確保したいと思っております。
知財の相談を糸口として、経営解題の解決のために、ワン・フロアに集積している、よろず支援拠点、中小企業支援センター等にも繋げて貰えるので、一度気軽に相談してみる価値はあると思います。
同社は、創業が1900年代で歴史があり「乾パン」の老舗です。今後とも高い品質と昔ながらの味を保持して営業を続けて頂きたいと思っております。知財についても相当の関心と知識を持っており、今後は知財戦略をさらに事業戦略に発展させて頂くことを期待致します。 (伊藤 哲雄)
美味しく老人や子供にやさしい長期保存・防災食ソフト乾パン(228.1 KB)
掲載年月日:2017年8月21日