当社は、1991年に設立し、自動車運送事業を行っております。
私たちは、さまざまな意味での“最高レベルの物流”の構築を目指し、より付加価値のあるサービスを提供できる企業を目指しております。
そのような状況のなか、新規事業として、「移動式足湯」のサービスを開始しています。当社は、別府に自社の温泉を所有しており、源泉100%を各種イベント、介護施設、一般家庭、どこへでもお届けします。
私たちは、常にお客様のご期待を上回るサービスを心掛け、足湯にご入浴下さった方々に感動と非日常空間をお届けします。
当社の「移動式足湯」のサービスは、別府の源泉(54.8℃)を専用保温タンクに吸水して、専用車にて会場まで大切に運びます。当社が、長年培ってきた運送のノウハウと、専用保温タンクにより、源泉の温度の低下を最小限に抑えることができました。
また、源泉の輸送はトラックで行いますので、遠方のイベントでも対応できるところが強みです。屋外から屋内まで様々な場所での開催が可能なことに加え、会場設営からお客様対応、片付けまでスタッフがすべて対応いたします。
「移動式足湯」サービスで使用する桶です。桶は大容量で、最大8名(大人)まで入浴できます。源泉かけ流しで供給しますので、清潔で安心です。また、一定温度のお湯を供給し続けることで、温度コントロールができます。夏のイベントなどには源泉を冷やしてお届けすることもできます。
現在、さらに利便性を追求した「移動式足湯」の桶も開発中です。
同社は、「移動式足湯」のサービスにおいて、他社との差別化、及び模倣対策として、知的財産権等の権利化ができないかを検討されていました。そのような中で、知財総合支援窓口で相談できることを知り、相談に来られたことがきっかけで、継続的に支援を行っております。
同社が開発した「移動式足湯」システムが特許等の権利化ができないかが、最初の相談でした。まず、知的財産制度の説明をし、特許等の発明の概要などについて理解いただきました。次に、当時の「移動式足湯」システムの特許権利化の可能性について協議を行いました。また、登録の要件を満たしているかなどについては、専門家(弁理士)の助言を受けることとしました。
後日、弁理士を交えて同社の「移動式足湯」システムの特許権利化の可能性について、協議を行いました。当初の「移動式足湯」システムは、特許の登録要件を満たしておらず、拒絶される可能性が高く、新たな改良点などを加えて差別化を行う必要があると、弁理士より助言がありました。その後、改良点を見出すポイントなどについて助言を行い、同社で新たな「足湯システム」を考案するに至り、特許出願をされました。なお、出願の際には、大分市の出願補助制度を紹介しました。
同社は、今回の「移動式足湯」システムの特許出願支援を受けたことで、知的財産の重要性に気づかれ、身近なものとして業務に取り入れられるようになりました。「移動式足湯」サービスの名称についてもブランド化を検討され、ロゴマークの商標出願を検討されるなど、知的財産を意識した事業活動を展開されるようになりました。
これまで、知的財産権については身近に感じることがなかったですが、今回の支援を通して、開発品の特許出願を行い、重要性に気付かされました。弁理士等専門家のアドバイスも受けられますので、知的財産権に関してわからないことがありましたら、気軽に「知財総合支援窓口」を利用したら良いのではないでしょうか。
同社は、自動車運送業で培ってきたノウハウを活かし、温泉の源泉を運ぶ「移動式足湯」といった新しいサービスを始められました。そのシステムについて特許出願をされるなど知的財産の重要性を認識されるようになりました。全国に笑顔と温泉を届けるといった熱い思いのもとで事業を展開されています。 (藤本 秀次)
「移動式足湯」の知的財産活用による事業展開(144.7 KB)
掲載年月日:2017年8月24日