当社は、昭和45年に創業以来、自動車修理について、「お客様のご要望を的確に捉えるコミュニケーションの構築」を第一目標として、お客様の信頼を築いてまいりました。また、修理技術を高めるために、「グローバルジグ」等も導入して、高度な修理技術への対応も行ってまいりました。さらに、近年のディーゼルエンジン車からの排気ガスによる大気汚染問題を解消すべく、今までにはなかった集煙効果の高いディーゼルエンジン車の排気ガス浄化装置の開発等、環境分野事業にも取り組んでいます。
当社が開発したディーゼルエンジン車の排気ガス浄化装置は、3つの大きな特徴があります。第一は、電気などのエネルギーを必要としないサイクロン方式を採用した、当社が独自に開発した技術で得られたエマルジョン状のヒノキ精油水を排気ガスに混合させて、DEP粒子を凝集させて取り除くため、動力を使わない点です。第二は、ヒノキ精油水が高温の排気ガスと接触することで起こる気化過程で、水を取り込み気化することにより、この気化エネルギーが、排気ガスの温度を下げる効果を持ちます。第三は、排気ガス中の二酸化炭素は水に溶解し、温度が低くなるほど溶解度が増すことから、排気ガス中の二酸化炭素の濃度を低減する効果もあります。
当社が開発したディーゼルエンジン車の排気ガス浄化装置は、当社が独自に開発した技術で得られたエマルジョン状のヒノキ精油水を混合させることにより、 (1)動力不要で、(2)排気ガスの温度を下げ、(3)二酸化炭素の濃度を下げる効果があるため、地球温暖化の防止に役立つとともに、不快なディーゼル臭気成分を除去することが可能です。また、このエマルジョン状のヒノキ精油水は、全国でも有数の品質を誇る高知県産の檜を厳選して得られたものであり、檜の主成分であるヒノキチオールが有する殺菌・抗菌効果やさわやか香り等を生かしたディフューザー商品も開発しています。
同社は、ディーゼルエンジン車の排気ガスの問題の解消を目的として、有効・効果的な排気ガス浄化装置の開発を目指していたところ、サイクロン式の排気ガス浄化装置を考案され、この技術の権利化検討の支援を目的として窓口に相談されました。
最初の相談は、この技術に特許性の有無を確認したいということでありましたので、知的財産権制度の概要を紹介し、次いで、ディーゼルエンジン車の排気ガスの浄化装置に関する特許・実用新案の先願有無調査及びヒット文献に対する比較等を支援させていただきました。
特許及び実用新案の出願書類作成要領の支援を通じて、出願・権利化(特許第4304457号、実用新案登録第3166543号)に至っております。また、エマルジョン状のヒノキ精油水についても権利化検討のご相談・依頼があり、商品名(・マーク)としての権利化(商標登録第5407317号)を支援させていただきました。
当初は、特許等の出願・権利化手続は弁理士事務所に任せるものであると認識されていたようですが、数回の支援により、先願有無調査、登録料(・年金)納付、出願書類の作成等についても、自力での対応が可能となりつつあるように思われます。
新しい発明・アイデアを考案しても、特許庁に出願して権利化しようと思えば、弁理士事務所に頼まないと無理であり、高額な費用が必要であるという認識から、出願を躊躇していましたが、知財総合支援窓口を利用することにより、自身でも頑張れば少額の費用で出願・権利化も可能でした。有効に活用されてはどうでしょうか。
現在社会問題ともなっている、ディーゼルエンジン車の排気ガス浄化装置に関する技術について、特許及び実用新案で権利化されました。これらの権利技術を有効・効果的に活用され、地球温暖化防止への貢献及び同社のさらなる発展を期待しています。 (柏井 富雄)
ディーゼル車の排気ガス浄化装置(216.6 KB)
掲載年月日:2017年8月28日