当社は、さかい新事業創造センター ビジネスを支援するインキュベーション施設(s-cube)に在籍するベンチャー企業です。2012年に創業し、製造業者のモノのインターネット(IoT)の課題の取り組みに参入しました。リモート監視サービス、コンピューターシステムの企画、開発、制作、販売及び保守、コンピューターシステムに関するコンサルティングを行っています。柔軟なクラウドサービスプラットフォームAMON(アルドネット・モニタリング・エンジン)を開発し、それをコアとするIoTインフラを提供しています。ヨーロッパの顧客については、フランスでの代理店を通じてサポートをしております。
当社は、工業用装置分野において、25年以上のITシステムのソフトウェア工学の経験があります。アルドネットのチームは、常に新しいことに挑戦する準備ができています。培ってきた技術の蓄積を常に応用しています。クライアントの設備機器を、無線チップのRFID、Bluetooth、LTEなどを使ってクラウドと結び、モバイル上でリアルタイムの監視が可能となるサービスを提供しています。
当社は、在日フランス商工会議所から、幅広い分野で活躍している会員企業の優れた活動を称えるために設けられたベスト中小企業(SME)賞2016を受賞しました。
AMONクラウドサービスプラットフォームは当社の主力製品です。遠隔監視サービスのすべての基本的・特長的な標準機能を搭載し、インターネット上のデータ収集、カスタム監視画面上のデータ表示、メールを介したエラーの検出と通知など、機器を管理するために必要なすべての基本的なニーズをカバーします。マウスとクリック操作で設定できることに加え、全ての機能はユーザーの具体的なニーズに即してカスタマイズして、簡単に利用でき、市場に出るまでの時間を短縮できます。Web APIとカスタム・ブリッジ・モジュールによりAMONを既存システムに接続し、機器、プロセス、環境をクラウドベースのデータ処理と結び付け、オペレーションを最適化します。
大阪勧業展で同社の出展ブースにお寄りしたとき、遠隔監視ネットワーク事業について、研究開発補助金を申請するので、特許出願について支援してほしいとの依頼があったことが、窓口活用のきっかけです。
アイデア段階から、知財専門家(弁理士)を派遣して、ハブやルータの故障、回線障害等でネットワークが遮断されても、データロスを抑制して送信先での正確なデータ分析を可能にする遠隔監視システムの特許出願を支援しました。
同社から、販売を拡大するにはどうすればよいかとの相談があり、ブランドの知財専門家(中小企業診断士)を派遣して、遠隔監視システムを拡販するための販売戦略・ビジネス戦略について支援しました。また、商標の知財専門家(弁理士)を派遣して、ブランド戦略の重要性を説明し、グローバル展開をすべく、会社名(アルドネット)や、遠隔監視クラウドサービスプラットフォーム(AMON)の商標出願を支援し、商標登録できました。
同社は、最初の支援時は、ベンチャーとして立ち上げ時期でしたので、システム開発と顧客開拓に重点をおかれ、知的財産まで意識がまわるとは言えない状態でしたが、特許やブランドの知財専門家の派遣を重ねるごとに、IoTのコア技術とブランドを知的財産で守ることの重要性を感じられようになりました。現在は、システム開発、営業活動において、知的財産を常に意識されるようになりました。
知財総合支援窓口は、中小企業が抱える知的財産権に関する、どんな小さな課題も熱心に聴いて頂き、アイデア段階から事業化までワンストップで、丁寧に対応して頂けます。また、IoTなどの最先端の情報処理技術の知財戦略、販売戦略、事業戦略において、知財専門家を派遣して、知財をコアに幅広く支援して頂けます。
同社社長はフランス人で、日本の大手電器メーカーで勤務された後、ベンチャーを立ち上げられました。本年、在日フランス商工会議所から、ベスト中小企業賞を受賞され、フランスと日本のビジネスの「懸け橋」と期待されています。同社のクラウドサービスプラットフォームが、世界を繋ぐ「懸け橋」になるように支援を続けていきます。 (大野 健造)
遠隔監視クラウドサービスの知財出願戦略と事業戦略の支援(1.0 MB)
掲載年月日:2017年9月13日
更新年月日:2022年8月 4日