当社は、地域社会に対して建設産業による貢献を果たすために『誠意と調和と技術』を基本として昭和21年7月に創立以来、地域に根ざした企業として営業展開を継続しております。
少人数集団ならではの行動力と連帯感が、当社の強みです。
公共、民間を問わず、顧客の皆様のニーズに即対応するという信念が、過去から現在まで培われてきました。この、地道に一歩ずつ培ってきた歩みの下に、建設業を通して地域の皆様に信頼と安心を提供させていただき、より高品質の構築物施工を行うべく取り組んでいます。
圃場基盤整備事業が完工後40年ほど経過した圃場では、漏水による保水機能の低下による稲作収量の低下が著しくなっています。当社は水田のあぜ道からの漏水を手軽に防ぐ工法「モラン工法」を開発しました。
「モラン工法」は農林水産省管轄「一般社団法人 農業農村整備情報総合センター(ARIC)」の「農業農村整備民間技術情報データベース(NNTD)」に登録(登録番号:1205)されました。
圃場基盤整備事業が完工して40年ほど経過した圃場の水漏れによる保水力低下対策について、同社が近隣の農事組合法人から相談され、これを受けて新しく開発した水漏れ対策工法「モラン工法」のPRと特許権利化について、南砺市商工会井波事務所に相談されました。そこで、同商工会の経営指導員から、特許権利化については富山県知財総合支援窓口に相談するよう勧めて頂いたことがきっかけです。
同社へ訪問して現場で施工方法のポイントを説明していただいた後、当支援窓口から、工法の上位概念の技術ポイントから工事治具への工夫までのそれぞれについて権利化可能性を検討する必要があること、また、この工法の「モラン工法」というネーミングの保護も必要であることをお伝えしました。
その後、当支援窓口の配置弁理士相談会の活用を経て、特許出願と商標登録出願をされました。
同社では今回開発の工法の普及にあたり、将来は自社実施だけでなくライセンスによる利用許諾もお考えであることから、当支援窓口から会社として他者にライセンスを可能とするためには、発明の権利を会社に移転する手続が必要であることをお伝えし、専門家(弁護士)の派遣支援を実施しました。現在同社では、今回の発明の権利譲渡契約と、今後生じる発明に向けた職務発明規程の策定を進められています。
当支援窓口から、特許出願が完了したため積極的にPRされていくことをお勧めしました。
その後、地元紙に同社の「モラン工法」の記事が掲載されたところ、県内の農業関係者から多くの問い合わせが寄せられ、近く県内の農業関係者を招待して施工現場での見学会を行うことを計画されています。また、「モラン工法」を分かり易く説明したパンフレットやウェブページを用意され、これらを見てお問合せをいただくことも増えているとのことです。
工法の特許出願や工法ネーミングの商標出願をしたことにより、安心して施工現場での見学会、パンフレットやウェブページでの紹介を行うことができます。最初に商工会に相談してから2ヶ月で特許や商標の出願が完了してこのような状態になることができ、助かっています。当社と同じような状況の会社は多いと思いますので、知財総合支援窓口に相談されることをお勧めします。
同社が開発された圃場修復技術は県内だけでなく、広く普及する可能性があると考えています。今後のライセンス契約案件の発生に備え、きちんと権利を会社に移転する手続や今後生じる発明に向けての職務発明規程導入に向けて継続して支援して行きます。 (林原 幹雄)
特許出願で安心して新工法の特長をPR(454.4 KB)
掲載年月日:2017年9月 7日
更新年月日:2020年9月 9日