「いかの黒作り」と「ほたるいかの塩辛」の製造を主として、各種塩干類(主にいか)の製造・販売をおこなっております。
また、『温故知新』を社訓とし、現在では見られなくなった風土色豊かな食品を調査研究し、それを復活させたり、これをベースとした新たな食品づくりをおこなっております(ほたるいかの燻製オイル漬け・ほたるいかのいしる干し...など)。
「天然のいけす」と喩えられる富山湾。ホタルイカなどの海の幸、蜃気楼、海底林。富山湾の豊かさは、古くから人々の暮らしに彩りを添えてきました。
富山湾で捕れた魚を使った料理を今に伝えると共に、昔食べられていた料理を今の時代に合わせてアレンジして提供しています。
「いかの黒作り」は、いかの塩辛にイカ墨を入れて、黒くしたものです。ここ富山では古くから食べられていました。加賀百万石の藩主が参勤交代のおり将軍家に献上したところ、その美味を絶賛されたことを記した文書が残されております。
日本で最もポピュラーな塩干品と言われる「いかの塩辛」ですが、ここ新湊の塩辛はねっとりしているのが特徴です。塩辛をじっくり寝かせることで余分な水分をとばすと共にイカが熟成され、新湊ならではのねっとりとした、味に深みのある塩辛になります。この塩辛でご飯を召し上がれば、日本人に生まれてきた幸せを満喫できること間違いありません!
富山湾の魚加工品に富山県産の果物、野菜、山菜などを組合せた商品の拡販について富山県よろず支援拠点に相談され、「商品群のコンセプトを決めることでプラスアルファの価値を与えられる」とアドバイスを受けられました。そのコンセプトを表すネーミングとして「魚魚富山盛(ぎょぎょっとやまもり)」を考案され、「これを商標登録できないか」ということで、知財総合支援窓口にご相談をいただきました。
窓口支援担当者が同社を訪問したところ、「今回相談の商品群は国内だけでなく既に中国や東南アジアでも流通しており、香港での展示会への出品を考えている」とのお話をいただきました。窓口支援担当者から「国内での商標登録だけでなく商品が流通する外国での商標登録を検討すべき」ことをアドバイスし、その後窓口における弁理士相談で国内での登録可能性や、漢字圏での外国出願を考慮した商標についてアドバイスを受けられ、この弁理士に依頼されて国内外の商標出願を行いました。また、外国出願にあたっては外国出願費用補助事業の利用をお勧めして、実施機関である富山県新世紀産業機構への申請を支援し、平成27年度の補助の採択を受けることができました。
さらに、同社名の「京吉」やそのロゴマークの保護も商品のブランド化を図っていく上で重要であることをお伝えし、継続支援をお約束しました。
その後の状況をお聞きするため連絡を入れたところ、「海外展開している大手食品会社と商談をしているが、先方からも「京吉」の国内外での商標登録を勧められており、支援をして欲しい」とのご相談をいただきました。そのため、例年募集時期の早いジェトロへの外国出願補助申請を念頭において早めに国内出願を行うことをお勧めし、先の案件を受任された弁理士に再度依頼されて国内出願を行いました。また、ジェトロへの外国出願補助申請についても応募受付期間内に申請を完了できるよう、当支援窓口で支援させていただきました。
商標登録によってブランドを保護することは、ビジネスリスクを低減させるだけでなく、取引先を安心させることでビジネス拡大にもつながることをご理解いただいたと思います。出願した商標は一部指定商品を除き香港・台湾・中国で商標登録され、同社は現在、香港を拠点に中華圏へ商品を販売中です。
商品を開発し、商談して輸出に漕ぎつけたところで、商標権など知財のトラブルで輸出できなくなったケースも見聞きしますが、弊社は販売先の国で商標登録できたことで、滞りなく商品を輸出しています。
『まずは相談』。「こんな感じなんだけど・・・どうかな?」という思いで電話してみて下さい。丁寧に相談に乗ってもらえます。終わってみたら、「もっと早く相談に行けばよかった」と言う気持ちです。
外国出願費用補助事業の募集期間は限られていますが、平成27年度及び28年度もスケジュール感を持って支援することで、締め切り前に申請を間に合わせていただくことができました。 (林原 幹雄)
ブランドマークの商標登録で安心して商品を海外で販売(400.8 KB)
掲載年月日:2017年9月 5日
更新年月日:2022年8月16日