当社は、豊中市内の工作機械用メーカーと直接取引を行っています。主にテレスコ(伸縮)カバー(※注1)を製造しており、近年、ユーザーである工作機械メーカーから、軽くてメンテナンスが容易なジャバラ(※注2)の製造依頼が増えたことを受け、既存品のテレスコカバーから、低価格で環境に優しい新型シートを使用したジャバラの自動生成機の開発に取り組み、軽量化・省スペースを求める工作機械メーカーのニーズに対応しています。
※注1.切りくずや切削剤から機械のすべり面を保護するカバー
※注2.シートを折りたたんで伸縮させ、ボールねじや摺動面を保護する
当社は、お客様との打合せから、設計→試作→評価→量産および納品後のアフターフォローまで、すべてを自社で完結出来る一貫体制を整備しております。生産設備においても、レーザー切断機3機、タレパン4機、プレスブレーキ7機、CNC加工機4機、NC旋盤2機、溶接機も各種取り揃えており、価格、品質、スピード、安定供給、あらゆる面で他社に対するアドバンテージを持っております。また、現在は開発業務にも注力しており、更なる顧客満足度向上に努めております。
当製品は、これまでのノウハウ、板金、溶接技術を始め、協力会社と連携したゴムや樹脂などの独自技術も導入した仕様となっており、自動車向け 生産ラインにも採用され、工作機械メーカー様から、高い評価をいただいております。
更に、会社概要でも記載しておりますように、自社開発中の新型防護シートをベースにした新商品をラインナップに加えていくことで、当業界のパイオニアとなるべく、事業を推進しております。
今後の当社の活躍と発展をご期待下さい。
おおさか地域創造ファンドに採択された新規開発のシートについて、事業化を踏まえた知的財産の権利化・秘匿化の選択、活用の仕方につき相談がありました。
国際出願も視野に権利化を検討したいとのことで、ファンドに採択されるまで支援した豊中商工会議所の経営指導員と共に同社を訪問しました。
開発関係者の方々に対し情報の棚卸し、出願に際しての情報開示・秘匿の選択、ノウハウの有無、権利範囲の考え方、委託生産先とのNDAを含む情報管理などにつき幅広く説明を行いました。
また、開発品が類似の輸入品の権利侵害を構成するかどうかや相談者の改良品の権利化について相談があり、それに対して、該当品は海外でのみ登録されており、国内出願・登録されていないこと、改良品の権利化の考え方を説明いたしました。
豊中商工会議所に開設の臨時相談窓口への来訪や、訪問支援を利用され、海外先行技術調査の仕方と新規開発製品の戦略的な権利化について理解を深めていただきました。
開発技術志向が強く、開発担当者をはじめ技術者に知的財産の啓蒙を行いたいとの要望を受け、同社の社内知財セミナーの講師として、セミナーを実施しました。知的財産の概要、権利化、情報管理につき、社長以下社員約60名(全社員の8割強)が熱心に聴講されました。
同社では、従来特許事務所任せであった特許出願を、社内でもできる限り自立化したいとの機運が高まりました。それを受けて、窓口より知財兼任者の設置を提案したところ、開発者が兼務する体制を構築されました。知財兼務者は、当窓口主催の知財セミナーに出席され、また窓口支援を受けながら意匠を自力出願するまでに知財意識と実務能力を高められました。
知財総合支援窓口では、先行技術調査の仕方や事業における知的財産の活用の仕方まで、初めての相談者にも分かりやすく、丁寧にアドバイスしていただきました。
また、知財活用の自立化を目指し、知財兼務設置の提案や、社員全員を対象とした知財啓発セミナーを実施いただいて、全社の知財知識向上にご尽力いただきました。
同社は元々技術志向が強く、権利化について従来の特許事務所任せから、知財兼任体制を経て知財権利化・活用の自立化を志向するようになられました。
現在は、知財活用に加え、マーケティング強化にも注力しており、今後は、知財活用とマーケティングの融合による事業展開を図るのに必要な支援をしていく予定です。
(土屋 晶義)
知財利活用自立化支援(188.0 KB)
掲載年月日:2017年9月13日