当社は、創業当初から日本国有鉄道電気工事指名業者として、日本国有鉄道の電気設備工事を行ってきましたが、平成12年頃からデータベースを核とした業務用システムの受託開発を始めました。 平成18年には経済産業省サービス産業創出事業を受託し、インターネットテレビ会議システムを利用した遠隔運動指導事業の実証試験実施をきっかけに、近年では、Androidアプリやデータベース、Webソリューションの開発に取り組んでいます。
当社は、ソフトウェアの受託開発以外に、自社商品として、「スマートフォンから手軽にライブ動画配信可能な接客ツール」の開発や「遠隔操作によるITデバイスの問題を解決するサービス」の提供等を行ってきました。同社の強みは、時代に沿った新商品・新サービスの企画・提案力とそれを製品化する開発力です。特に、スポーツ向けのソフトウェアの開発に着目し、鋭意取り組んでいます。
前述の通り、当社はスポーツ向けソフトウェアの開発に取り組んできており、その一つが、スマートフォン向けスイングチェック用アプリ「CheCam」です。これは、自分のスイングフォームをビデオ撮影しながら、同時にスローモーションにて全自動で繰り返し追っかけ再生できるアプリで、これを用いればスマートフォンを操作することなく、スイングフォームをスローモーションで繰り返し確認することができます。2016年秋から販売を開始し、徐々にですが、その販売数は伸びてきています。
同社は、新規開発したスイングチェック用アプリ「CheCam」等、スポーツアプリの商品化に際し、知財保護を図るため、先行技術調査について窓口へ相談に来られました。
窓口では、本スポーツアプリの技術内容、構成、特徴を整理した上で、本技術の新規性、進歩性を確認するために、J-PlatPatを用いた先行技術調査方法を説明し、ご理解いただいた上で、知財専門家(弁理士)を活用した先行技術調査を支援しました。その結果、類似技術がないことが判明したので、特許出願を勧めました。
同社は、自社の知財力をアップしたいという強い意向があったため、相談者自身で特許出願書類を作成することを提案して支援を行いました。出願書類作成時における留意点として、従来技術から発明に至るまでの技術シナリオの構築、課題を解決する発明の明確化、特許請求の範囲の明確な記載要領等について助言を行い、ご自身での特許出願に至りました。
同社にはその後も積極的にご相談を頂いており、当窓口が「国際フロンティア産業メッセ2016」に出展し臨時の知財相談ブースを開設した際等、当窓口の活用企業様としてご紹介をさせて頂いております。
同社は、先行技術調査支援から特許出願書類作成までの一連の支援を通して、先行技術調査力、出願書類作成力のアップに繋がり、社内知財活動の自立化に向けて第一ステップを踏み出すことができました。
先行技術調査相談のために訪問した知財総合支援窓口では、その支援にとどまらず、出願支援や事業化支援など、一歩踏み込んだ支援を受けることができました。新規開発した本スポーツアプリは徐々にではありますが、販売数が増加しております。知財支援から事業化支援まで受けることができる知財総合支援窓口は、中小企業にとって非常に貴重な支援窓口です。知財総合支援窓口のご利用をお勧めします。
同社は、スポーツアプリの知財保護を通して、このスポーツアプリをコア技術としたスポーツ関連の新製品を、競争的資金を獲得して開発を始めました。一つの発明の知財保護をきっかけにこの発明をコア技術とし、新たな製品開発に取り組んでいます。今後の知財活用と新製品の事業化を期待しております。 (熊谷 親徳)
スマートフォン向け追っかけ再生スイングチェック用アプリ(303.2 KB)
掲載年月日:2017年10月25日