当店は、長崎県西海市の雪浦川に面した小さな古民家を改築して、2014年にオープンしたイタリア料理店です。地元産の新鮮な野菜と、イノシシ肉のハムを挟んだ特製『雪浦パニーニ』をはじめ、長崎県産の食材をできる限り使いながら、イタリアの食材をミックスしたオリジナルメニューを提供しています。また、2016年12月には、長崎市街の五島町に「イタリア酒場 秀一楼」もオープンいたしました。ここでのモーニングとランチはパニーニ中心のメニュー、夜はワインや個性的な前菜などのイタリアンメニューを展開し、若い女性を中心に好評を得ています。
どこかイタリアの雰囲気を感じさせる海と山と川に囲まれた里山・雪浦で、“地産地消”をコンセプトに、生産者の方とコミュニケーションしながら、地元の食材を使うことにこだわったイタリア料理を提供しています。
また、近年イノシシが増えたことで農産物や里山の環境へ被害が広がっておりますが、『雪浦パニーニ』は食材としてイノシシ肉を美味しく食べられるよう積極的に活用しており、社会にも貢献しています。
今回登録商標となった「雪浦パニーニ」(商標登録第5909853号)は、秘伝のレシピでパニーニ専用に焼いたパンに、契約農家から仕入れた新鮮な野菜、西海産イノシシ肉のハムやオリジナルの味噌ソースなど、厳選した地元食材をたっぷり詰め込んだ、こだわりの商品です。当店は、この「雪浦パニーニ」を、長崎を代表する食べ物「長崎ちゃんぽん」や「佐世保バーガー」のような、ご当地名物に育てていきたいと考えています。
同店は、「雪浦パニーニ」に使用するこだわりのハムが、近隣で別の業者によって製造販売されているハムと勘違いされることが多いことから、「雪浦パニーニ」の名称と品質を守るために商標登録したいと考え、西海市商工会の経営指導員に相談されたところ、知財総合支援窓口を紹介され、相談がありました。
まず電話で相談を受けたところ、『雪浦』という地名と『パニーニ』というイタリア語のサンドイッチの名称との組み合せのネーミングについて、商標の識別性についてご説明し、専門家・弁理士の意見を交えて出願内容を検討したほうがいいことをお伝えしました。
出願内容については、実際の使用態様である文字とロゴデザインを合わせたものか、文字のみの出願とするか、それぞれを出願した場合のメリット・デメリットについて弁理士より解説を受けたのち、標準文字での出願を選択されました。商標登録出願の手続きの流れや費用についてご説明し、拒絶理由通知が届く可能性が高いことを理解された上で、まずはご自身で出願されることになりました。
弁理士からのアドバイスを受け、商標の機能について理解を深められたことで、『雪浦パニーニ』に加えて屋号『秀一楼』の商標登録の必要性も感じられ、これも出願、無事登録となりました(商標登録第5912182号)。新店舗の看板には既に?も表示されており、商標のPRを進めておられます。また、法人化も検討されており、今回事業の核となる二つの名称の商標を取得されたことが、今後のブランド化展開の基盤になるものと期待されます。
自分が思い描くビジネスプランを進めていくにあたって、無料で色々と質問しながらアドバイスを受けられたのは、ありがたかったです。商標権も無事に取得することができ、安心して使うことができるようになりました。無料で便利な窓口なので、みなさんもぜひ利用してみてください。
長崎を代表する商品に育てていきたい、というオーナーの思い入れがある『雪浦パニーニ』と屋号『秀一楼』のどちらもストレートでの登録となり、安心しました。『雪浦パニーニ』の絶妙な美味しさが、これらの商標への信頼を蓄積し、ブランド力を後押ししてくれるものと期待しております。 (横川 由紀)
看板商品『雪浦パニーニ』の商標登録支援(722.2 KB)
掲載年月日:2017年11月27日
更新年月日:2022年8月19日