私どもナカムラ消防化学は、かけがえのない人と財産を守るため、防災を通じた地域社会への貢献を目指し、設計から製造・メンテナンスまでトータルに行う消防車メーカーです。これまで日本全国に700台余りの消防自動車を納めさせて頂きました。そのいずれの消防自動車も、地域生活を守る役割を担い、そして貢献していることに強い責任と誇りを感じています。ナカムラ消防化学では「FOR THE BEST ONE」という言葉を企業使命として掲げ、お客様のベストのためにベストな製品を提供することを使命としています。
ユーザーの製品性能や機能、価格に対する厳しい要求に迅速に対応できる社内体制が自社の強みと考えています。そのため、社の幹部と営業、製造部門との風通しを良くして、情報の交換と管理を十分行っています。また市場の動向を的確に把握し、新技術や新製品の開発にも努めている点も自信があります。そのために、国や県、大学や各種支援機関との連携を強化し、いつでも的確な支援を得ることができるのも強みと考えています。
各種消防ポンプ自動車(水槽付、化学火災用を含む)は、全国自治体に700台を超す製品を納入しました。合わせてビルなどの消防設備のメンテナンスを行っています。さらには木材、紙、油、天ぷら油など様々な種類の火災の初期に手軽に用いることができる「火護之消球」を開発しました。これらは、火災を初期に防止できる、すなわち家の安心安全も見守る新しい商品と考えます。
同社は、特許や商標などの知的財産権に対する関心が高く、知財総合支援窓口の開設当初から、特許や商標などの出願等に対する各種支援メニューをご利用いただき、事業に活用されてきました。
同社ではかねてより、海外展開を新たな事業と考えておられましたが、このたび独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)及び長崎県の支援を受け、ミャンマーの企業と連携して同国において同社製品の販売を行うための協議に入ることになりました。ついては、同国企業との連携に際しての契約の方法についての支援して欲しいとの要請がありました。
ミャンマーは日本から進出した企業の例も少なく、法整備が十分でないと考えられます。そこで海外での実務経験が豊富な、独立行政法人工業所有権情報・研修館の海外知的財産プロデューサーと連携し、同国で事業を起こすに当たってのリスク及び対策についてアドバイスを行いました。更に、海外知財契約に詳しい海外駐在の経験がある弁護士を派遣し、同国企業と取り決めるべき事項を整理しながら契約締結に向けた支援を行いました。同弁護士には引き続き契約書作成支援制度を利用し、契約書案の作成を行ってもらいました。
同社製品のパッケージはミャンマーに任せるため、商品名の商標権取得の重要性を認識していただきました。さらに製品に対する責任が発生するため、説明書の記載内容を把握できる仕組みが必要であることを理解頂きました。今後具体的な交渉に入りますが、都度状況を聴取しながら、引き続き支援を行います。
海外市場は、ユーザーの考え方、法律、商習慣など、国内とまったく異なる状況にあります。その中で自社を守るためには知的財産は重要な資産です。知財総合支援窓口では、独立行政法人工業所有権情報・研修館の海外知的財産プロデューサーと連携し、弁護士などの専門家を派遣しながら海外展開に対する種々のアドバイスをもらえます。まずはお気軽にご相談されることをお勧めします。
同社は知財に対する関心が高く、他社権利の調査を行いながら自社技術の権利化を進めておられます。今回は海外企業との契約書に対する支援を行いました。今後の海外での事業展開にお役に立てることを期待しています。 (加藤 敏)
海外進出のリスクに備えた契約書の作成支援(253.7 KB)
掲載年月日:2017年11月27日
更新年月日:2022年8月19日