当社は、三重県松阪市の伝統産業である「松阪木綿」を守ろうという強い思いのもとに設立され、「松阪もめん手織りセンター」として商品開発販売と手織り技能者の育成を行っています。
当社の松阪木綿製品の品揃えは全国でもトップとなっています。
写真:機織体験
「松阪もめん」とは、天然藍の先染め糸を使い、「松阪嶋(まつさかじま)」と呼ばれる縞模様が特徴の松阪地域で生産される綿織物です。
弊社は、松阪もめんの専門店です。中でも他には無い手織り反物の品揃えは全国でトップクラスとなっています。
近年では「MADE IN 松阪」商品の取り組みとして、松阪産オーガニックコットンを使用した新しい商品づくりに、地域の生産者と共に取り組んでいます。2022年開催のコットンサミットin松阪では、松阪産オーガニックコットンを使用した手織り生地を製作し展示販売を行い、新たな松阪もめんの魅力の発信をしています。
写真:手織り反物
弊社の一押し商品は、松阪もめんを使用した各種商品です。
いずれの商品も、松阪もめんの特徴である豊富な縞柄をデザインにいかした商品で、飽きがこないので長く使って頂くことができます。
中でも、手織り商品は唯一無二の逸品です。また、手織り体験を楽しめる織姫体験も人気です。
写真左:紳士用ネクタイ、右:婦人用ワンピース
公益財団法人三重県産業支援センターの助成金交付内定者説明会において、知的財産への配慮の必要性を説明したのをきっかけに同社を訪問し、ヒヤリングをさせていただいたところ、名古屋モード学園と産学連携による商品開発を始めようとされていることが分かりました。他者との協業においては、契約の段階でお互いの目的や役割を十分に確認することが重要であり、協業に関する契約書について支援しました。
当初示された協業に関する契約書案は、名古屋モード学園によって従来から使われていた標準的な内容のものでしたが、長くにわたり良好な関係を維持しながら協業するためには、双方の考えを十分に確認し合うことが必要と考え、できる限り公平な内容となる契約書案を同社と共に煮詰め、名古屋モード学園側に提案することとしました。
数回にわたり相談者と支援担当者で意見交換し、案文を取りまとめた内容を名古屋モード学園側に提示し、大きな修正点もなく、了解を得ることができました。
同学園との共同開発は契約文書の準備と並行して進められ、締結前から意見交換したことで役割分担や納期意識が高まっており、予定通りの日程で完了しました。
開発成果は松阪市内で開かれた「松阪もめんフェスティバル」で発表され、画期的な取り組みとして大きく報道されました。この成功により、次年度以降も協業は継続されることとなり、街着として使えるような「野良着」や小物類の開発にも取り組まれています。また、開発製品は名古屋市内のファッションビルや老舗百貨店で発表・販売の機会も検討されています。
協業相手との契約内容を突き詰めたことで、役割・責任分担が明確になったと共に、目標が明確になり、計画の遂行にメリハリができ、効率的に業務が進捗しているように感じられます。同社の経営体質強化が一歩前進したと考えます。
専門家の目を通して事業の進め方について助言して頂いたことで、目先のことに追われて、大切なことを後回しにしていたことが沢山あることに気付かされました。窓口においては、特許や商標の出願だけでは無く、幅広く助言して頂けるので、遠慮なくご相談されることをお勧めします。
若い力を活かして伝統産業を復活させたい、という強い情熱を感じながら助言させて頂きました。助言に対してはその意味をしっかり理解しようとされ、納得して着実に実行するという姿勢が見られ、結果として協業パートナーとの信頼関係が構築でき、次の年度の活動に繋がったものと考えます。 (村上 一仁)
産学連携に関する知的財産を含む契約支援(846.6 KB)
掲載年月日:2017年12月18日
更新年月日:2023年2月 8日