重くて大きい外国の穀類膨張機(ポン菓子製造機)を改良し、小さく軽いポン菓子製造機を初めて製作したのは北九州の中小企業と言われており、当社ではこの技術を活用した商品開発を行っています。
当社が運営するグルテンフリーのRice puff専門店 “ポンキュッポン”では小麦アレルギーに悩むお子さんや、グルテンフリーの食生活をしている大人向けの、カラダに優しいお菓子です。「食べたいけど食べられない・・」 そんな食事に関する悩みや不都合を解決したいとの思いで製造しています。
【商品コンセプト】
「自然なものを食べ、自然なカラダをつくる」
~添加物不使用にこだわり、自然なカラダづくりを応援します~
当社は事業コンサルティングも行っており、その中で女性視点での企業支援や大学、セミナー等の講師として関わった人とのつながりを活かし、食品関連の商品開発、パッケージ開発を多数行った実績と経験が強みです。
今回相談窓口で支援を受けたポン菓子関連商品の開発においても、コンサルティングで関わった人とのつながりを活かしています。
一押し商品は、九州産のお米、玄米、あわなどの穀物類と穀物スーパーフードと言われるキヌア、アマランサス、ソルガムなどを主原料とし、博多あまおうや宮崎完熟マンゴーのドライフルーツを入れた「Fruit PONBar(フルーツポンバー)」です。ノンフライ製法で、添加物、保存料を使わない「こだわり無添加」の新感覚の果実菓子です。
この他、米を使用した揚げ物用衣も製造販売しています。小麦アレルギーの方でも安心して揚げ物を召し上がれるだけでなく、油の吸収が通常の小麦より少ないため、ヘルシーな揚げ物ができます。
ポン菓子製造機は地元発祥ということで、同社がポン菓子を活用した地域活性化のために、新感覚ポン菓子の製造販売を計画されました。ポン菓子そのものやその製造方法では知財権を申請するのは難しそうですが、まずは商標登録出願をしたいということで、窓口相談を利用されたのがきっかけでした。
「ポン菓子の商品名を商標出登録したい」ということでしたので、まず先行商標の検索方法や出願の手続に関してアドバイスしました。ただ、同社が当初出願したいと考えてこられた商標は、単にポン菓子の原料とポン菓子を組み合わせただけであったので、商品のイメージに合った造語を考えていただき、出願されました。(商願2017-63584)
同社は、ポン菓子だけでなく、ポン菓子の製造工程を利用した新しい食品の開発をされました。それが米を使った揚げ物用衣で、商品化するに当たり知財権利化をしたいと相談がありました。
一般に、食品の製造工程を出願しても権利行使が困難なことが多いため、秘匿化することも普通です。しかし、同社は是非とも権利化をということで、派遣専門家(弁理士)を活用され、そのアドバイスから米を使った揚げ物用衣を化学分析することで、製品から製造工程を特定できることを突き止め、特許出願に至りました。この化学分析でも、同社がこれまで培ってきた人とのつながりが大いに役立ちました。
同社は事業コンサルタントとして九州を中心とした多くの企業、事業の支援を行う中で、地元発の技術を活用した商品開発により地域活性化に貢献しようとされています。その中で、商標や特許を活用した知財経営を自ら実践し、その経験と知見を今後多くの支援の場でも活用しようと、知財に関する意識が大きく変わったと感じます。
知財は経営の大きな柱の一つと思います。知財、特に特許というと難しいイメージですが、窓口や専門家派遣制度などを有効に活用すればそんなに難しくありません。
専門家のアドバイスも知財だけでなく、関連した分野のアドバイスや情報を得ることができ、最初は出願さえも難しいと思っていたものも出願に結びつきました。皆様もぜひ知財総合支援窓口をご利用ください。
多くの企業の支援をされている同社自らが、経営の中で知財の大切さを体験して頂くことで、今後の企業支援の中で知財総合支援窓口の活用や知財そのものの広報にもご協力いただけると期待しています。 (熊本 洋)
知財権利化相談(339.5 KB)
掲載年月日:2017年12月 4日